研究課題
基盤研究(C)
天の川銀河の磁場の起源、大局的・局所的な構造、磁場が果たす役割を理解する上で、ガス密度の低いバルジ・ハロー磁場の情報が鍵となる。本研究では、銀河円盤の磁気流体数値計算を行い、円盤部とハロー磁場のつながりを含む大局的な構造と、磁気的活動性に付随する局所的な構造の形成機構の解明を目指す。特に、銀河磁場生成において重要になる星間物質が6000K程度の温かい中性ガスであるか、1万Kの温かい電離ガスであるかを明確にする。更に、数値計算結果を用いた観測的可視化を行い、主にセンチ波、メートル波の観測と直接比較し、観測に裏打ちされた銀河磁場モデルの構築を目指す。
銀河磁場は、平均で数から数十マイクロガウスの強度を持ち、また、銀河の圧力や宇宙線圧と同程度のエネルギーを持っている。そのため、星形成領域の形成や、銀河風の生成、宇宙線粒子の加速や軌道を曲げるなど、様々な役割を担っている。また、宇宙背景放射の偏光を同定するためには、天の川銀河の磁場構造の詳細を知る必要がある。そこで、天の川銀河を含む渦状銀河の磁場構造、どのように観測されるかを明らかにする目的で数値計算及び、数値計算結果を使った擬似観測を行った。その結果、天球面上に射影された偏波データから推測される渦状磁場構造は、空間的につながりが無い場合があることを指摘し、空間的に分離する新たな手法を開発した。
銀河ガス円盤の3次元磁気流体数値実験に基づいた擬似観測を行い、天球面上に射影された観測結果は、実際の3次元分布の中でどの領域の寄与が重要かなどを明らかにした。また、センチ波からメートル波帯の複数のバンドの観測結果、偏波強度分布から視線方向に積分された観測量から3次元構造を分離する新しい手法を提案した。現在、センチ波・メートル波の新しい電波干渉計が稼働を始めており、また、2020年代後半にはさらに大型なSquare Killometre Array phase 1(SKA1)が稼働を開始する。これらの観測結果が実際に排出される前に、データ解釈の理論的な補強を行った。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 4件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (29件) (うち国際学会 4件、 招待講演 5件)
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