研究課題/領域番号 |
19K03918
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 呉工業高等専門学校 |
研究代表者 |
川勝 望 呉工業高等専門学校, 自然科学系分野, 教授 (30450183)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 理論天文学 / 超巨大ブラックホール / 銀河 / 共進化 |
研究開始時の研究の概要 |
銀河から銀河核ガス円盤、さらにはブラックホールまでのガス降着過程を整合的に結びつけることで、超巨大ブラックホール形成・進化に対する新しい知見を与える。具体的には、(a)ブラックホール成長率と銀河核ガス円盤の物理状態との関係を調べることで、ブラックホールへのガス降着率を決定している主要因を制限する、(b) ブラックホール起源の膨大な輻射が本当にブラックホール成長を抑制する効果として働くのか、ブラックホール成長率と銀河核ガス円盤からのアウトフロー率の関係を系統的に調べることで明らかにする、(c) 銀河核ガス円盤の幾何学的構造とブラックホール成長率の関係を調べ、対応天体の特徴を予言することである。
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研究実績の概要 |
近年の高精度観測装置によって、銀河中心には太陽質量の100万倍から10億倍もの超巨大ブラックホール(SMBH)が普遍的に存在し、その質量は銀河バルジの質量に比例することが明らかになってきた。しかしながら、その形成メカニズムは未だ謎に包まれており、天文学における最重要テーマの1つである。この問題を解決するために、銀河からのガス供給により形成される数10パーセクの銀河核ガス円盤(CND)を介して、銀河からブラックホールまで6桁ものダイナミックスレンジに渡るガス降着過程と、ブラックホール近傍からの輻射やWindによるフィードバック効果を整合的に考慮した理論モデル「多階層連結モデル」の構築が必要である。近年、銀河団中心の巨大楕円銀河で大量の分子ガス銀河団中心での AGN feedback に果たしている役割について調べるために、新たに準解析的モデルを構築した。計算の結果、核周円盤はその質量の変化により安定と不安定の状態を行き来する一方、ブラックホールへの降着率を長期的には一定に保つという調整弁の役割を果たしていることがわかった(Fujita, Kawakatu, Nagai 2022)。 近年、サブパーセク領域に注目すると、AGNから輻射によりWindが吹き、低光度AGNのときのみ、極方向へガスが巻き上げられることが分かった。このことは、Windがサブパーセクスケールでの遮蔽だけでなく、ジェット収束にも寄与する可能性があることを示唆するものである(Kawakatu et al. 投稿準備中)。加えて、AGN起源で吹き飛ばされたガス雲により、パーセクスケールのAGNジェットの伝搬が一時的に阻害されることも明らかになった(Kino, Niinuma, Kawakatu, et al. 2023)。これらの成果から、超巨大ブラックホールの周辺領域は従来の予想よりも複雑な現象が起こっていることことが示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
銀河団中心の銀河のAGNフィードバックのモデル、ジェットとWindとの相互作用に関する理論モデルの構築、および関連する観測研究が順調に進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
活動銀河核(AGN)に付随する相対論的ジェットの形成・進化、およびジェットが周辺ガスへ与えるフィードバック過程を理解するために、近傍電波銀河3C84,NGC1052,NGC4261に焦点を当てて、理論モデルと観測との詳細観測を行う。加えて、パーセクスケールのミニコクーンの力学からジェットのパワーや組成についての調査も新たに進めることで、AGNフィードバックに関する知見を得る。
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