研究課題/領域番号 |
19K03919
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
富阪 幸治 国立天文台, 科学研究部, 名誉教授 (70183879)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 星間磁場 / フィラメント状分子雲 / 磁気静水圧平衡 / 分子雲衝突 / 非局所熱平衡 / Goldreich-Kylafis効果 / フィラメント衝突 / 観測的可視化 / LVG近似 |
研究開始時の研究の概要 |
星間分子の回転遷移線の直線偏波面から星間磁場の構造を求める。磁場中でゼーマン分裂した励起状態からの遷移線は磁場方向に到来する円偏波成分(ゼーマン効果)と磁場と垂直方向に到来する直線偏波成分を生じる。熱的な束縛遷移に対する後者をGoldreich-Kylafis(GK)効果と呼ぶ。本研究では、星形成過程で予想されるGK効果を近似的方法(ソボレフ近似)と第一原理(モンテカルロ)シミュレーションで求め、観測と比較し、磁場構造を決定する。これは星間塵が磁場に沿って整列するという経験論的効果によらず磁場構造が決められるという大きなメリットがある。
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研究成果の概要 |
星形成過程での磁場変化を観測的に明らかにすることを目的とした。星間磁場の形状は磁場に整列した星間ダストからの熱輻射の直線偏光と、磁場中の星間分子輝線の直線偏光であるGoldreich-Kylafis(GK)効果をも測ることで、磁場形状の解明に迫ることを目標とした。 フィラメント状磁気雲の平衡形状を、気体の状態方程式を変えて調べた。等温に比べ高密度で低温となる方が観測される密度分布によく合った。熱輻射の偏光パターンを予測し、高い中心密度を持つ磁気フィラメントで実現される、中心に引き絞られた磁場形状が観測により対応していた。 モンテカルロ法によるGK効果の偏光の計算方法の概略を確定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
星形成における磁場の役割を明らかにするため、偏光(偏光度、偏光面、偏光強度)予測シミュレーションをいくつかの天体現象について行った。力学的釣り合いシミュレーションや動的収縮シミュレーションの結果を偏光予測シミュレーションすることで、どのような3次元磁場形状が(使用するモデルの範囲内ではあるが)観測される2次元的な偏光諸量の分布を説明するのかを明らかにすることができるようになった。偏光観測を天体に存在する磁場の測定に結びつけるための強力な方法論を手にしたことになる。
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