研究課題/領域番号 |
19K03923
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
羽部 朝男 北海道大学, 理学研究院, 名誉教授 (90180926)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 巨大分子雲 / 大質量星形成 / 分子雲衝突 / 磁場 / 衝撃波 / 分子雲コア形成 / 大規模数値シミュレーション / 分子雲コア / 大規模数値電磁流体シミュレーション / 分子雲 / 星間磁場 / 数値シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
大質量星は、銀河進化に多大な影響を及ぼすが、その形成条件は未解明である。大質量星形成条件の解明のため分子雲衝突に注目する。私たちは,銀河スケールで分子雲衝突がかなりの頻度起こることを理論的に示し、分子雲衝突の3次元数値シミュレー ションを系統的に進め、分子雲衝突による高密度コア形成に対する分子雲内乱流や衝突速度の影響を調べ、乱流の効果だけでは大質量星形成可能な高密度コア形成には不十分であることを示した。そこで、本研究では磁場の効果を取り入れて大質量星形成が可能な高密度コア形成の可能性を調べ、さらにsink particle model を使って大質量星形成までを系統的に研究する。
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研究成果の概要 |
大質量星は、銀河進化に多大な影響を及ぼすが、その形成過程は未解明である。これを研究するために、本研究では磁場の効果を考慮して、分子雲衝突の3次元数値シミュレーションを行なった。 一様磁場中に乱流分子雲を仮定し、「磁場とガス密度の観測的関係」が磁場4 μGでよく再現されることを示した。 次にこの場合に、典型的速度10km/sで衝突すると、10太陽質量以上の分子雲コアが多数形成され、大質量星形成の可能性を強く示唆する。また、衝突速度が10km/s以上の場合には、この大質量分子雲コア形成には 衝突速度に応じて大きな分子雲の必要性を初めて示した。これらの成果は、国際会議で発表し、査読論文を出版した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は宇宙における大質量星形成過程を解明するために行なった研究である。大質量星は、その中心部で生命の起源と深く関連する様々な元素を合成し、また寿命が宇宙年齢と比較して短いことから超新星爆発を起こし、この元素を宇宙に放出して宇宙の元素の進化と深く関わっており、大質量星形成の研究は人類にとって大変興味深い。この研究では、このように重要な大質量星形成が、分子雲衝突で起こる可能性を調べ、宇宙空間で観測されている磁場が大質量星形成を可能にする分子雲コア形成を促す効果を明らかにした。この結果は、宇宙における大質量星形成がどのように起こるのかを理解する上で重要な意義を持つものである。
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