研究課題/領域番号 |
19K03931
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤本 正行 北海道大学, 理学研究院, 名誉教授 (00111708)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 宇宙最初の星 / 超金属欠乏星 / 漸近巨星分枝星 / 恒星進化 / 星風・質量放出 / 星・連星系形成 / 核種合成過程 / 銀河系形成史 / 宇宙初代星 / ミラ型変光星 / 星:連星系形成 / 元素の起源 / 質量放出 / 漸近巨星分枝 / 元素合成過程 / 中性子捕獲元素合成 / 星形成 / 連星系形成 / 銀河系形成 / 元素合成 |
研究開始時の研究の概要 |
銀河系ハローの金属欠乏星について、その多く(20%以上)を占める炭素過剰金属欠乏(CEMP)星の分析から、我々は、現存する低質量星は連星系の伴星として誕生、CEMP星は漸近巨星分枝(AGB) 星に進化する中質量星を主星とし、周期、質量比の異なる3種の連星系を母胎とすることを示した。 本研究では、これらの成果を基礎に、SAGA databaseに集積した観測データと構築したAGB星の進化・核種合成の理論との照合を通して、CEMP星の親連星系の形成時の特性を導出、その金属量依存性から星・連星系の形成史、その物理機構を解読する。それを通して、銀河系ハローの形成・初期進化の全体像の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
近年の大規模な探査観測およびすばる等の大型望遠鏡による高分散分光観測によって、銀河系ハローの超金属欠乏星の存在とその特異な性質が明らかにされてきた。本研究では、宇宙初期に誕生し、現在まで生き残っているこれらの低質量星に刻まれた表面組成の特性やその統計的な性質を手掛かりに、これらの恒星の素性を明らかにし、それを基に初期宇宙における星・連星系形成過程を解明した。それとともに、これに必要な低金属欠乏下での恒星、とりわけ漸近巨星分枝星、の進化と核種合成過程、および、星・連星系形成過程の理論の構築を目指した。これによって、ビッグ・バンで始まる初期宇宙における構造形成史、物質進化史の新たな描像を導けた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宇宙の曙光とそれに続く恒星がどのように誕生し、初期宇宙の物質進化、構造形成でどのような役割を果たしてきたかを明らかにすることは、観測的にも理論的にも、現在の天文学の焦点の一つである。宇宙初期に誕生した恒星の痕跡を情報源ととして、宇宙初期における星形成、構造形成過程を探る分野は near field cosmology と呼ばれ、今世紀になって8m級の望遠鏡での観測の進展を受けて活発に展開している。本研究は、超新星で金属を生成放出する大質量星ではなく、漸近巨星分枝星に注目した点が新しく、それによって、これまでの研究にはなかった、新たな側面を明らかにすることができた。
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