研究課題/領域番号 |
19K03933
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 国立天文台 (2021-2022) 京都産業大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
新井 彰 国立天文台, ハワイ観測所, RCUH職員 (30582457)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 新星 / 高分散分光観測 / リチウム / ベリリウム / すばる望遠鏡 / 古典新星 / イジェクタ構造 / 分子 / 近赤外線観測 / 吸収線 / イジェクタ / 偏光分光観測 |
研究開始時の研究の概要 |
新星爆発の核反応は銀河の化学進化や太陽系の進化の議論をするうえで重要な同位体元素が生成されると理論的に予測されてきた。新星爆発で放出されるこれらの同位体元素のより正確な質量の推定や新星の熱核暴走反応の理論モデルの検証を進めるうえで爆発初期のイジェクタ構造を知ることは不可欠である。本研究の目的は可視光・近赤外線の高分散分光観測と偏光分光観測、および直接撮像観測によって新星を爆発後の時系列に沿って系統的に調査し、現在提唱されている爆発初期のイジェクタ構造モデルを検証することを目的とする。
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研究実績の概要 |
今年度は、既存の観測データを用いた研究を中心に行った。その結果が出始めているので、データ解析および論文化を進めた。具体的には、2つの新星について、過去に得られたデータから爆発初期の吸収線の変化を見出し、本研究課題の目的である初期のイジェクタ構造に直接的に迫る分析を進めてきた。この中にはインドの研究者との共同研究も含まれる。 これに加えて、すばる望遠鏡の高分散分光器HDSを用いて、いくつかの新星の爆発中の観測データを取得することに成功した。現在はその観測データの解析作業も進めており、本研究テーマの中核をなすデータの一つになると期待される。また、すばる望遠鏡の観測プロポーザルを提出し、研究課題に適した天体が発見された際に、初期の吸収線の時間変化、およびベリリウム検出を目指した観測の準備を進めている。 これまでの研究の進捗状況をまとめ、京都大学のせいめい望遠鏡ユーザーズミーティングで講演した(招待講演)。講演内容として、爆発初期のスペクトルの分析によって、イジェクタ構造を追究するための計画を紹介し、せいめい望遠鏡に搭載され2023年から利用が開始される高分散分光器のプロポーザルの検討結果を含めた。 本課題は、諸般の都合により研究進捗にやや遅れが生じていたため1年間の延長をすることにした。今年度の研究活動によって得られたこれらの成果のうちいくつかは論文化にも着手しており、研究は着実に進捗していると考えている。次年度には複数の成果発表が達成できる見込みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
進捗としてはやや遅れている。主な理由は、この2年間、想定しているような明るい新星が発見されていないことで、中核となる良質のデータ取得が進んでいないためである。また、新型コロナウィルスの影響と所属組織の状況の変化に伴い、本課題の作業を進めるための時間の確保がやや難しい時期があったことも理由である。
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今後の研究の推進方策 |
現在は取得済みのデータの分析を進め、論文化に向けて着々と作業を進めている。次年度には本課題の結果を論文として出版し、国際会議での成果発表をすることを見込んでいる。
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