研究課題/領域番号 |
19K03934
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 長野工業高等専門学校 |
研究代表者 |
西村 治 長野工業高等専門学校, 情報エレクトロニクス系, 教授 (10259864)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | X線パルサー / 中性子星 / サイクロトロン線 / 磁場 / 重力レンズ効果 / サイクロトロン共鳴 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙において最も強い磁場を持つ天体が中性子星であり,その磁場強度を直接測定できる唯一の方法が本研究テーマであるサイクロトロン吸収線(以下,吸収線)のエネルギーである.中性子星の中には伴星を伴う場合があり,伴星からガスが降り積もることでX線を放射している.この降着ガスの運動は強磁場に沿って一次元運動し,星表面近くで衝撃波発生により急激に減速されるため無視されてきた.しかし,降着円柱の壁付近では輻射圧の減少のためガス運動の減速が弱くなると考えられる.本研究では,吸収線形成はこの壁付近の領域が支配的になることに注目し,二次元で考えることで今までの一次元標準モデルで解決できなかった問題を解明する.
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研究成果の概要 |
中性子星のサイクロトロン吸収線のエネルギーが光度変化によって変化するモデルの構築し、シミュレーションを行った.Vela X-1では、基本波の吸収線構造が非常に浅い特徴や吸収線のエネルギーは光度が上がると一旦減少してから増加する傾向が見られる.ここでは、重力レンズ効果により吸収線が2重に形成されることについて調べ、重力レンズ効果により形成されている吸収線と考えることができることを示した.この場合、Vela X-1は今まで見積もられていた磁場の強さの5倍の強さになることがわかった.A0535+262でも同様のシミュレーションを行い、10の13乗ガウスにも及ぶ超強磁場中性子星であることがわかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宇宙において最も強い磁場を持つ天体の中性子星の磁場強度を直接測定できる唯一の方法であるサイクロトロン吸収線のエネルギーについて、シミュレーションを行った。中性子性の磁極付近で形成される降着円柱内での降着ガスによるドップラー効果と重力による光の曲がる効果を考慮することによって、観測結果と一致する新たな結果を得ることができた。これにより今まで見積もられていた磁場の強度よりも5倍程度強い磁場を持つ可能性について示唆することができた。今後のより詳細な観測データにより、この結果が正しいかどうかがより明確になると予想される。
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