研究課題
基盤研究(C)
銀河系中心の巨大ブラックホール(GCBH)の成長過程を探るためにALMAを用いて銀河系中心近傍1pc内での中間質量ブラックホール(IMBH)の探査を実施する。探査の方法は以下の2つである。1)水素再結合観測による電離ガスのダイナミックスによる探査2)ALMAで検出されるWR/早期O型星の位置天文学による探査すでに我々自身の先行研究でこの領域にIMBHのほぼ確かな候補を発見しているが、中心BHとこのIMBHが存在するだけでは宇宙年齢たっても両者の合体は起こりにくい。しかし第2のIMBH(すなわち第3BH)があれば3体相互作用で合体は起こり得てIMBHの合体による成長シナリオが現実的になる。
銀河系中心での中間質量ブラックホール(IMBH)の位置天文学的な探査に必須のサブミリ波観測による固有運動の探査の試みについての初めての査読論文を日本天文学会欧文誌PASJに発表した。論文の内容は中心核SgrA*の周囲0.5pc以内の65星(主にウオルフライエ星)の固有運度を測定したというものである。論文の結果は先行する赤外線観測とコンシステントであったが、精度が高まった。星団ごとの集団運動が明確にされただけでなく、我々がIMBH候補とするIRS13E3と隣接する13Ecがその集団運動とは違う運動をしていることもわかった。この運動と視線速度データを組み合わせてケプラー運動の仮定から内包質量を見積もった。これまでの推測値(2x10^4太陽質量)から6x10^3太陽質量に推定値が小さくなった。この結果は日本天文学会2022秋季年会で発表した。またドイツのグループと共同でこの位置天文学と赤外線観測を組み合わせた銀河系中心での星生成の研究を行い品が中心最近傍の星生成領域の候補を発見して、Astrophysical Journal誌に発表した。
3: やや遅れている
アルマミリ波サブミリ波干渉計(ALMA)の観測を他のグループと手分けしてやっているが、COVID19による観測停止、サイバー攻撃を受けたことによるALMAの修復とその期間の観測停止という予想できなかった事態が重なり、ALMAの観測の実施が遅れて最低必要な3期のデータがまだ揃っていない。2期のデータまでの論文はすでに出版済みであるが、最終結果の論文は出せていない。
すでにALMAの停止という事態からは復帰し観測が行われているので、研究の遅延は回復されると思われるので、予定の項目の中間質量ブラックホールの探査を行う予定である。
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 7件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 2件)
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