研究課題/領域番号 |
19K03947
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 (2019-2021, 2023) 東京大学 (2022) |
研究代表者 |
西野 真木 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 招聘職員 (50466794)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | アルフヴェン・マッハ数 / 太陽風 / 磁気圏 / 磁気圏プラズマ輸送 / 宇宙天気予報 / 低密度太陽風 / 磁気圏電離圏結合 / 火星誘導磁気圏 / 地球磁気圏 / 宇宙天気 / 磁気圏境界 / 太陽風-磁気圏電離圏応答 / プラズマ輸送・加熱 / 衛星観測・地上観測 / グローバルシミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、アルフヴェン・マッハ数(MA、アルフヴェン速度で規格化したプラズマの流速)が低い太陽風に対する地球磁気圏・電離圏の応答を観測データ解析とシミュレーションによって調べる。手法として、地球磁気圏内外の多衛星観測データのイベント解析と統計解析、地上観測データ解析、およびグローバルシミュレーションを用いる。特に、磁気圏の全体構造の変形、磁気圏境界層および磁気圏内でのプラズマ輸送・加熱、電離圏プラズマ対流を、通常のMAの場合と比較しながら解明するとともに、統計的に地球付近よりもMAが低い水星磁気圏への適用や系外惑星の磁気圏への応用を目指す。
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研究実績の概要 |
まず地球の磁気圏・電離圏に関しては、低MA太陽風かつ惑星間空間磁場(IMF)が北向きのときの磁気圏電離圏結合を調べることを目的として、SuperDARNの電離圏プラズマ対流データと、DMSP衛星によるオーロラ観測データを比較した。一部の時間帯では極域にmultiple Transpolar Arcs (TPAs)が出現しており、磁気圏尾部が複雑な形状になっていることを示唆する。 今回調査した事例では、低MAになる前の時間帯から北向きIMFが継続していた。そのため、観測されたmultiple TPAsが北向きIMFによるものであるのか、それとも低MA太陽風の影響であるのか、今後さらに調べる必要がある。 次に、昨年度に引き続いて地球以外の惑星への応用を試みるため、火星探査機MAVENによる火星誘導磁気圏の観測データを用いて、アルフヴェン・マッハ数(MA)が低いときの太陽風・火星磁気圏相互作用を調べた。数例の低MAイベント(MAが2~3程度)を解析したところ、磁気圏境界面に近いマグネトシースでプラズマの顕著なバルク加速が見られる場合があった。惑星間空間磁場(IMF)の非動径方向成分が卓越していることから、地球磁気圏周辺のマグネトシースで観測されるプラズマ加速と相似的であると思われる。しかし、火星誘導磁気圏と地球磁気圏は大きさが1桁ほど異なり、地球と同様に磁気張力・磁場勾配によるプラズマ加速で説明できるのかどうか定量的に評価をおこなう必要がある。この点については今後グローバルシミュレーションを実施するなどして解明したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本務である月着陸機の業務で非常に多忙だったために本研究の遂行が遅れているが、火星誘導磁気圏に関する学会発表はおこなうことができ、現在論文を執筆している。また、低MAイベントにおける地球磁気圏・電離圏の全体像を把握するまでには至っていないが、SuperDARNとDMSPのデータの初期解析によって磁気圏・電離圏が南北非対称になっている可能性がある興味深い事例が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
地球についてはSuperDARNのデータを中心として電離圏プラズマ対流を詳しく調べるとともに、特にmultiple TPAsが出現する場合について衛星データを用いて磁気圏尾部の構造の変化を調べたい。 また火星についてはMAVENの観測結果を早期に論文化するとともに、グローバルシミュレーションを実施してプラズマ加速の物理過程を調べ、地球磁気圏の場合と比較する。
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