研究課題/領域番号 |
19K03952
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
国広 卓也 岡山大学, 惑星物質研究所, 准教授 (30432628)
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研究分担者 |
小林 桂 岡山大学, 惑星物質研究所, 教授 (20325129)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | コンドライト / コンドリュール / 流体プロセス / 小惑星 / 微量元素 / 流体 |
研究開始時の研究の概要 |
小惑星は太陽系円盤にて形成した物質が 46 億年前に集積した天体で,放射壊変や衝突現象によって加熱され化学平衡に近づき,現在に至る年月の中で化学及び物理プロセスを経て多様性を獲得する.小惑星物質の進化における流体の寄与は顕著で,あらゆる炭素質コンドライトに水質変成の痕跡が確認される一方,流体プロセスの継続期間について,定量的に論じるに至らない.本研究は,隕石の解析により流体プロセスの痕跡を求め,初期数百万年に限定することなく,小惑星構成物質が最後に流体と反応した年代を明らかにする.
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研究成果の概要 |
局所分析法をコンドリュール構成鉱物に応用し,26 微量元素の空間分布を求めた.全岩分析およびマスバランス計算の結果,コンドリュールが水質変質に加え,水質変質以前にケイ素メルトと反応したことがわかった.酸を用いたステップワイズリーチング法を応用し,コンドリュールをガラスと非ガラスに分離した.これらに対し系統的に Rb-Sr 年代測定法を応用した.Rb-Sr 年代測定法により求められる年代は,Pb-Pb 年代測定法によるそれより数億年若い年代を示した.水もしくは氷がこの期間小惑星に存在したことを示唆する.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小惑星は太陽系円盤にて形成した物質が 46 億年前に集積した天体で,様々な化学及び物理プロセスを経て多様性を獲得した.これらのプロセスが太陽系初期に限定されると考えられるところ,本研究の意義は,物質に多様性を与える流体プロセスの継続時間を求めることである.流体に対し反応性が高いアルカリ元素の分布を利用し流体プロセスの年代を測定し,流体活動の継続時間が数億年であること求めた.サンプルリターン・ミッションにより回収される試料が,近年の物質進化を反映しうることが示唆される.
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