研究課題/領域番号 |
19K03963
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
菅原 敏 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (80282151)
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研究分担者 |
森本 真司 東北大学, 理学研究科, 教授 (30270424)
石戸谷 重之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究グループ長 (70374907)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 成層圏 / 平均年代 / 重力分離 / 成層圏大気年代 / ACTM / Age of air / 大気年代 |
研究開始時の研究の概要 |
大気における温室効果気体の循環やオゾン層破壊など、地球環境の諸問題が成層圏の大気循環を通じて密接に関わっており、地球環境の将来予測のためには、成層圏における子午面循環の変化を解明することが必要となる。しかし、成層圏の子午面循環の強さの経年的な変化を直接観測で検出することは困難である。そこで間接的な方法として、「大気の年齢」(空気が熱帯域において対流圏から成層圏へ流入した時点を起点とした経過時間)を推定する方法が用いられてきた。本研究では、従来の大気年齢の推定を発展させて、これまでに利用されていなかった新たな大気成分を加えて、複数のクロックトレーサーから高い精度で大気年齢を推定する。
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研究成果の概要 |
補助事業期間の2年目である2020年7月に、成層圏大気の採取を目的とした気球実験を北海道大樹町において実施した。予定した全ての高度で空気サンプルを採取することができ、気球実験は成功した。この成層圏大気サンプルを用いて、合計20種類以上の気体濃度や同位体の分析を実施した。その結果、従来からのクロックトレーサーであるCO2、SF6に加えて、CO2の炭素同位体比、ハロカーボン類からも平均年代の推定が可能となり、マルチクロックトレーサーによる平均年代の推定という目標は達成できた。また、過去の気球実験のデータを利用し、熱帯成層圏における平均年代を数値モデルで理論的に計算し、その成果を論文として発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球温暖化に伴う成層圏の変化、特に、成層圏の大規模な子午面循環であるブリューワ・ドブソン循環が、温暖化にどのように応答するのかという問題は気象学の重要な課題である。これを解決するためには、大気年齢(空気が熱帯域において対流圏から成層圏へ流入した時点を起点とした経過時間)を観測し、その長期変化を明らかにする必要がある。しかし、従来の方法では、観測した大気年齢の不確実さが大きな問題であった。本研究では、より多くの気体成分から平均年齢を推定するマルチクロックトレーサー法を確立し、新たな気球実験で得られた大気試料にこれを適用した結果、大気年齢の推定精度を高めることができた。
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