研究課題/領域番号 |
19K03968
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉森 正和 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (20466874)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 地球温暖化 / 気候フィードバック / 気候モデル / 上層雲 |
研究開始時の研究の概要 |
気候の応答は気候システムを強制する大気中の二酸化炭素濃度の変化などの放射効果だけでなく、温度変化に誘発されて変化する様々な要素(例えば水蒸気量や雲)の放射効果(フィードバック)によっても強く影響を受ける。こうした気候フィードバックの解析は、気候応答の解釈と不確実性の低減を助けるものでなくてはならない。そのために、これまであまり注目されてこなかったフィードバック同士の関係性を調べ、地球温暖化の基礎的、かつ理論的な理解に貢献する。
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研究成果の概要 |
これまでの研究では気候変動に伴う水蒸気や雲などの放射効果は別々に特定されることが多く、その関連性についてはあまり注目されてこなかった。そこで本研究では、気候フィードバック過程間の連動性の解明を目的とした。まず、理論的な考察に基づいて発案した新しい気候フィードバックの定式化の有効性を、大気大循環モデルを用いて示した。次に、熱帯対流圏上層の雲頂温度は大局的には温暖化の前後で不変であるというFAT理論(及びそれに修正の加えられたPHAT理論)の気候フィードバックにおける意味について、全く新しい視点から再解釈を与えた。さらに、現在気候場からの温暖化時の雲フィードバックの「予測可能性」について議論した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
二酸化炭素濃度の上昇に対する気温上昇量を知ることは、気温上昇の上限目標に対して人類が排出する二酸化炭素の許容量を判断し、政策を検討する上で不可欠な情報である。世界の平均気温の上昇量は気候フィードバックと呼ばれる、気温上昇に伴って生じる水蒸気や雲の変化が引き起こす更なる地球の放射収支の不釣り合いの影響を強く受ける。本研究は、これまで進展が遅く未確立であるフィードバック基礎理論の体系化に貢献するものである。注目するフィードバックが温暖化を増幅する働きがあるのか、抑制する働きがあるのか、中立なものなのか、フィードバック間の連動性を調べることによって議論し、いくつかの新しい概念的な発展を実現させた。
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