研究課題/領域番号 |
19K03979
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
山岡 香子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (30610399)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | セジメントトラップ / 微量金属 / 鉄同位体 / 元素循環 / 沈降粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
海洋一次生産の制限要因となっている微量金属の循環を明らかにするため、沈降粒子による物質鉛直輸送過程に着目し、太平洋外洋域の赤道から亜寒帯を網羅する地点における微量金属フラックスとその変動要因について検討する。さらに、特に生物生産にとって重要な鉄に着目し、沈降粒子の各構成要素について鉄同位体分析を行うことで、海洋の物質鉛直輸送に伴う鉄の生物地球化学的プロセスを解明する。
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研究成果の概要 |
北太平洋東経175度上3地点(30ºN亜熱帯域、37ºN遷移帯、46ºN亜寒帯域)のセジメントトラップで捕集された沈降粒子について、バルク化学組成及び鉄同位体分析を実施した。沈降粒子の元素フラックスは、石質・炭酸塩・有機物・スキャベンジングの4つの支配要因で説明され、ニッケル、銅、亜鉛等の微量金属フラックスの80%以上は海洋中で付加されることが明らかとなった。鉄は主に石質成分であることを反映して鉄同位体組成は風成塵に近い値であったが、鉄マンガン酸化物や有機物の付加により、軽い鉄が取り込まれることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海水中の微量金属は一次生産の制限要因となっているため、海水中の溶存金属だけでなく、沈降粒子により鉛直輸送される金属についても検討し、海洋における元素循環を明らかにする必要がある。本研究では、海洋環境が大きく異なる北太平洋の3地点について沈降粒子による元素フラックスを明らかにし、微量金属の鉛直輸送において生物活動やスキャベンジングが予想以上に大きな役割を果たしていることを明らかにした。また、沈降粒子に有機物や鉄マンガン酸化物が付加することにより、海洋から軽い鉄が除去されていることを示すことが出来た。
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