研究課題/領域番号 |
19K03982
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古屋 正人 北海道大学, 理学研究院, 教授 (60313045)
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研究分担者 |
蟹江 俊仁 北海道大学, 工学研究院, 教授 (10332470)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 永久凍土 / 合成開口レーダー干渉法 / 森林火災 / シベリア / 地盤変動 / サーモカルスト / InSAR |
研究開始時の研究の概要 |
温暖化に伴う北極圏の永久凍土の融解は北極圏だけの問題ではなく,グローバルな影響が懸念されている.本研究ではシベリア平原の森林火災跡地に注目し,火災後の地盤変動(沈降や隆起)の時空間変化を合成開口レーダー(SAR)画像の干渉処理によって詳細に検出する.この地盤変動は地下表層部の温度分布,含水率,凍結度等で決まる活動層の厚さや永久凍土の体積そのものを反映している.SARで得られる地盤変動データを熱・水文学的な数値モデルに基づいて物理的に解釈することによって,凍土融解の物理的実態に迫る.
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研究成果の概要 |
東シベリア・バタガイ周辺で2014・2018・2019年に発生した森林火災跡での凍土融解に伴う地盤変動を合成開口レーダー干渉法(InSAR)で検出し,詳細な時空間変化を調べた.2014年跡では火災後5年間で最大30cmは沈降したこと,初冬には明瞭な凍上シグナルがあること,変動量は火災深刻度とは必ずしも対応しないことが明らかになった.一方,バタガイカクレータと同じ斜面で発生した2018年・2019年火災跡の沈降量はむしろ小さい. これらに鉛直方向熱伝導による凍結融解と水平二次元の有限差分地下水流動モデルを組み合わせた解析を進めた.2019年から3年連続で融解深,土壌水分等の現地調査も実施した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
永久凍土の融解の進行は,広域的かつ緩慢なのか,局所的かつ急激なのか定量的には不明な点が多い.我はシベリアのバタガイ近郊の森林火災跡における地盤変動を合成開口レーダ干渉法を用いて追跡し,火災直後から5年程度の融解過程を明らかにした.また融解深や土壌水分の現地観測データを取得して解釈した.凍土融解による永年的沈降量は,地下氷の量や凍結面の深さで空間的に不均一に変化しており,火災深刻度との関連は薄い.バタガイカクレータと同じ斜面で発生した2018/2019年火災跡の沈降量は2014年火災跡よりも沈降量は少なかったが,防火帯として作られた道で侵食が進行しており今後の監視も必要である.
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