研究課題/領域番号 |
19K03986
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
高清水 康博 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (10446370)
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研究分担者 |
西村 裕一 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (20208226)
卜部 厚志 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 教授 (20281173)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 津波堆積物 / 北海道 / 胆振 / 津波履歴 / 17世紀津波堆積物 / 17世紀津波 / 北海道西部太平洋岸 |
研究開始時の研究の概要 |
勇払平野の浜堤列で実施した予備調査の結果を踏まえ,本研究では「北海道西部太平洋岸の縄文海進最盛期以降からおよそ2,7000前までの旧沿岸低地の地層」を研究ターゲットとする.調査が予定される候補地は,苫小牧市北東部の低湿地帯で最大海進時直後の海退プロセスによって出現したであろう沿岸低地の堆積物を対象で,ピートサンプラー,小規模ピット掘削調査等を行う.このことによって津波イベントの有無を把握するための最適地を選定した後,詳細調査(ボーリングや大規模ピット調査)を実施し,津波履歴の把握から北海道西部太平洋岸における地震像の実態解明を目指す.
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研究成果の概要 |
本事業では令和元~3年度にかけて,北海道西部太平洋岸において津波堆積物調査を実施した。この調査により,この地域の直近の巨大津波である17世紀津波堆積物の実像の把握に加えて,道東地域にみられるような平均400年の再来間隔を持つような巨大津波が西部太平洋岸でも確認されるのかを検討した。とりわけ,津波履歴に関しては,苫小牧市勇払,およびむかわ町汐見地域の調査から,17世紀津波堆積物が分布する場所において過去3000年間の津波履歴の検討を行ったがいずれからも津波痕跡を認めることはできなかった.よって少なくとも過去3000年間においては,数百年間隔の巨大津波イベントの発生はなかったと考えられる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本事業の成果のうち,最も重要なことは,北海道東部太平洋岸で認められているプレート境界で繰り返し発生する様な規模の大きな地震津波は,北海道西部太平洋岸奥部の胆振地域では少なくとも過去3000年間では17世紀津波のみであるということを明確に把握することができたことである。平均400年の再来間隔を持つ道東地域の繰り返し性を持つような地震像では,北海道西部太平洋岸の津波像を説明できないため,新たな形成モデルが必要であることも分かった.また,17世紀津波堆積物の実像解明の調査においては,X線CT画像を用いることによって津波堆積物把握精度を向上させることができることが分かったことも重要な成果であった。
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