研究課題/領域番号 |
19K03991
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
大谷 具幸 岐阜大学, 工学部, 教授 (20356645)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 断層破砕帯 / 最新すべり面 / 根尾谷断層 / 地震性すべり / 活断層掘削 / 密度回復 / 断層ガウジ / 基盤岩 |
研究開始時の研究の概要 |
1891年濃尾地震で地表変位を生じた根尾谷断層を対象として、地表露頭調査とともに、原子力規制庁が平成30年度から掘削を予定している140 m孔と700 m孔のボーリングコアを対象として、破砕物質の粒径変化、風化生成物の取り込み、酸化条件に伴う化学組成の変化、温度変化に伴う粘土鉱物の変化、濃尾地震の地表変位の有無に着目した断層破砕帯調査を調べることにより、地表付近の基盤岩に発達する断層破砕帯から最近の地震性すべりの有無の検出を試みる。
|
研究成果の概要 |
原子力規制庁が掘削したボーリングコアを用いて、根尾谷断層の地下浅部破砕帯において各種分析を行った。断層ガウジ帯全体ではスメクタイト・方解石が検出されるとともに、Caが多く含まれる。一方で、低CT値を示す領域として認められる最新すべり面は隣接する断層ガウジと比べるとCaが相対的に少ない。SEM観察により、最新すべり面ではCaの濃集部が点在するのに対して、隣接する断層ガウジでは脈状の分布を示す。これは断層破砕帯の発達において古くはクラックを方解石が充填していたものの、最近の活動では破砕を生じるのみであり、濃尾地震から約130年が経過した現在でも鉱物充填は進んでいないことを示している。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果より浅部断層破砕帯における最新すべり面の特徴を根尾谷断層を例として明らかにした。これにより断層破砕帯の性状から最近の活動の手がかりを定性的に見いだすことが可能となった。学術的には地震性すべりに伴う浅部断層破砕帯の挙動をCT値や鉱物充填の観点から明らかにしたとともに、社会的には従来の手法では活動性評価が困難であった上載層を伴わない、あるいは地下浅部の活断層を対象として本研究成果を適用することにより定性的な評価が行えるようになることが期待される。
|