研究課題/領域番号 |
19K03994
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 高知大学 (2021-2022) 鳥取大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
石田 直人 高知大学, 海洋コア総合研究センター, 客員講師 (20534746)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 表層型メタンハイドレート / 海底地すべり / ガスハイドレート安定領域 / 日本海 / メタンハイドレート安定領域 |
研究開始時の研究の概要 |
山陰沖の海底地すべりに対し,メタンハイドレート(MH)分解の観点から発生機構を検討する.日本海のMHは海底近傍に濃集する「表層型」であり,その安定性を左右する外的要因の影響を受けやすい.研究対象とする海底地すべりに対し,事前に得られているコア試料の分析・解析を進め,(1)海底地すべり発生年代の特定,(2)地すべり発生時点のMH安定領域の復元,(3)発生前後の安定領域の変動過程を解明し,最終的に(4)MH分解に伴って海底地すべりが発生し得るか,を判断する.
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研究成果の概要 |
山陰沖日本海の海底地すべりの発生について,表層型メタンハイドレートの分解が誘発したという観点から検討した.鳥取沖の隠岐トラフ南西斜面に位置する海底地すべりは,44 kaに発生したと考えられる.実測した水温,塩分,地温勾配,地殻熱流量,堆積速度等を基にメタンハイドレート安定領域下限を推算し,海底地すべり発生当時,地すべり土塊の直下に位置していたことを明らかにした.MIS5e間氷期に安定領域下限は最も深くなり,その後の海水準低下に伴って徐々に上昇する.安定領域下限に沿ってメタンハイドレートの分解が進行して地盤支持力が低下し,やがて斜面が滑動したという海底地すべり発生機構を支持する結果が得られた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,山陰沖日本海の海底地すべりについて発生機構を検討した.その結果,発生時期が海水準低下期であることが明らかになり,水圧の減少がメタンハイドレートの分解を進行させ,やがて斜面が滑動した可能性が高いという結論を得た.近年資源として注目される日本海の表層型メタンハイドレートは,その安定性を左右する外的要因の変化の影響を受けやすい特性がある.この成果は,メタンハイドレートの分解が海底地すべりを誘発する可能性を具体例をもって示し,新たな視点を与えるものとして重要である.
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