研究課題/領域番号 |
19K03996
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
北村 圭吾 九州大学, 工学研究院, 学術研究員 (60618825)
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研究分担者 |
佐久間 博 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主幹研究員 (20400426)
ステイコフ アレキサンダー 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 准教授 (80613231)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 密度汎関数 / 分子動力学 / ハイブリッド計算 / 粘土鉱物 / 高温条件下 / 高圧条件下 / イオン伝導度 / 高温物性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では汎密度関数計算(DFT)と分子動力学(MD)のハイブリッド計算(DFT-MD法)に基づいて高温条件下での粘土鉱物の電気伝導度を評価する手法の開発を行う. 高温条件下での粘土鉱物の電気伝導度は地熱地域の熱水資源と粘土鉱物を主要構成鉱物とする帽岩層を比抵抗探査から区別する上で重要な情報になると期待されている. しかし実験的方法による高温条件下での粘土鉱物の電気伝導度の測定は多くの困難が伴い未だに成功していない. 本研究のように計算科学的手法に基づくイオン伝導度評価手法の開発は地熱開発現場などの地球工学分野においても強く望まれており,開発に成功した際の波及効果は大きいと考えられる.
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研究成果の概要 |
層状ケイ酸塩鉱物の結晶構造の温度依存性の評価手法の確立を目的として、分子動力学によって黒雲母の結晶構造の温度依存性を400度までの条件下で確認した。また結晶構造の変化に基づく黒雲母の弾性定数を評価し、その温度依存性も併せて検討した。この結果から400度までの温度条件下で、実験的手法により測定された黒雲母を多く含む岩石の弾性波速度が大きく低下するという観測事実を定量的に説明することに成功した。この検討結果から、MD法によるケイ酸塩鉱物の結晶構造の変化と他の計算手法を組み合わせる事により、実験結果などから推測される物性変化を説明可能できることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
層状珪酸塩鉱物の物性値は電気伝導度や弾性波など岩石の物性を決定する要因であるが、実験的手法による物性値測定の困難さからこれまで限られた条件下で測定されたデータしか存在しなかった。 今回、分子動力学により高温条件下での結晶構造の推定と弾性定数の推定を行い、その結果が実験結果をうまく説明出来ていたことから、分子動力学と各種物性推定方法を組み合わせた計算科学的手法により層状珪酸塩鉱物の様々な物性値が推定可能である事が示された。これにより例えば地熱地域の低比抵抗体の性状を依り精度良く理解できる可能性がある。
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