研究課題/領域番号 |
19K04005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 神奈川県温泉地学研究所 |
研究代表者 |
道家 涼介 神奈川県温泉地学研究所, 研究課, 主任研究員 (00604109)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 干渉SAR / 箱根火山 / 噴気活動 / 地すべり / 土壌水分 / 噴気地帯 / 干渉SAR解析 / 干渉SAR時系列解析 / 土壌水分量 / ALOS-2 / 噴気地 / 火山 / 活火山 / 放熱量 |
研究開始時の研究の概要 |
人工衛星搭載の合成開口レーダー(Synthetic Aperture Radar: SAR)による干渉解析はこれまで地殻変動の検出に威力を発揮してきたが、本研究では、地殻変動解析においてノイズとして扱われてきた水蒸気による遅延を信号としてとらえ、活火山周辺の噴気地帯の抽出を試みるとともに、その活動を評価する手法の開発を行う。本研究で開発する手法は、人工衛星のデータを使用するため、立ち入り規制や奥深い山地などで現地の観測が困難な場合でもデータの取得・解析が可能となる利点があり、面的に観測するため噴気域の移動・拡大・縮小などの監視が可能であることから、火山活動のモニタリングに大きく貢献することが期待できる。
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研究実績の概要 |
箱根火山を対象に干渉SAR解析を実施した。また、前年度に実施した3次元解析の結果、同火山の大涌谷付近において地すべり性の変位が検出されたことから、地下の変形集中箇所を特定し、この地すべり性の変位のメカニズムを明らかにするための有限要素法による解析を実施した。その結果、地下に地すべり面と考えられる円弧状の変形集中域を特定した。さらに、干渉SAR時系列解析の結果からは、この変位が2015年の水蒸気噴火以降の活発な噴気活動のもと継続していること、雨量の変化とも対応していることを明らかにした。 一方、当初の研究目的とした噴気活動の評価については、十分な結果が得られなかったことから当初の研究計画から期間を1年延長することとした。しかしながら、上記の地すべりの解析の際に土壌雨量指数の算出をおこなっており、この結果と比較することにより、干渉SAR解析結果に認められる特異な変位の原因を特定ができる見込みが得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
箱根火山の干渉SAR解析結果に認められる特異な変位について、当初、噴気活動によるものと考えており、そこから噴気活動の評価を行うことを考えた。一方で、噴気活動から見込まれる変位はそれほど大きくないことが、観測および計算から明らかとなったため、この特異な変位の原因として土壌水分を考えて、人工衛星による観測日に合わせて、現地の観測を実施していた。 しかしながら、衛星の観測頻度が以前に比べて低下していることに加えて、今年度は観測日に合わせて十分な観測ができなかったため、十分なデータを得られなかった。一方、現地のデータの取得によらず、気象観測データを用いて土壌雨量を指数化した値が適用できることを新たに見出したため、これを次年度以降適用することにより、研究を進めることとし、研究期間を1年延長することとした。
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今後の研究の推進方策 |
干渉SAR解析について、直近のデータまでを全て解析を行う。 加えて、気象観測データを用いて、土壌雨量指数を計算し、この値と干渉SAR解析結果の比較を行う。 土壌雨量指数については、全国一律に用いられているパラメータがあるが、必要に応じて、研究対象地域独自のパラメータを推定することについても検討する。
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