研究課題/領域番号 |
19K04012
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高森 昭光 東京大学, 地震研究所, 助教 (00372425)
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研究分担者 |
今西 祐一 東京大学, 地震研究所, 准教授 (30260516)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 磁気浮上 / 反磁性体 / 傾斜計 / 有限要素モデル / 重力計 / 地球観測機器 / 観測機器開発 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では反磁性体を用いた磁気浮上という新しい方式に基づいた地球観測用機器を開発する。従来の観測機器では計測の基準となる参照マスが機械的に支持されているため、物性の影響により観測精度や周波数帯域が制限される問題がある。磁気浮上によって参照マスを完全に非接触支持することにより、この問題の大部分が解消できる。本研究では磁気浮上の方法として反磁性体を用いる事が最大の特徴である。これによりエネルギーを消費することなく浮上状態を常温で安定に保つことができ、装置の小型化、省エネルギー化、低コスト化が可能になる。これらの性質は新しい観測機器(傾斜計、並進・回転地震計、重力計)の開発に結びつくものである。
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研究成果の概要 |
地震計や傾斜計、重力計などの地球観測機器で広く用いられている機械式振り子に代わる新しい技術としての磁気浮上式振り子を開発することが本研究の目的である。反磁性体と永久磁石の組合わせによる受動的方式について調査した。半解析的なモデルを作り、永久磁石の作る磁場中に浮上する反磁性体の力学特性を予測した。その結果に基づき磁気浮上による長周期振り子を設計して傾斜計を試作した。試作傾斜計ではアクティブ制御方式を採用し、短時間ではあるが浮上体の位置を制御することに成功した。 また、磁気浮上式重力計である超伝導重力計に関する有限要素シミュレーションを行い、実測と比較して手法の有効性を示すことに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、反磁性体と永久磁石の組合わせを利用した磁気浮上方式について、その設計手法の確立と実際の装置(傾斜計)開発を通じてその実用性を示した点である。この手法の利点は、制御や超伝導状態を保つための冷却などを必要としない完全受動システムであることである。これは、消費電力やメンテナンスの観点から地球観測機器への応用として有利な特徴であるといえる。また、製作にかかるコストが低いため、観測機器を多点展開して稠密観測を行い新しい知見を得るという学術的意義だけではなく、防災に活用するという社会的意義にもつながる成果といえる。
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