研究課題/領域番号 |
19K04016
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
前田 裕太 名古屋大学, 環境学研究科, 講師 (00728206)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 水蒸気噴火 / 御嶽山 / 地震波解析 / 数値シミュレーション / 草津白根山 / 地下構造 / 熱水系 / 火山の熱水系 / 震源分布 / 流体 / 火山地震学 / 地震波干渉法 / 機械学習 / 地震活動 / 火山性地震 / 低周波地震 |
研究開始時の研究の概要 |
水蒸気噴火は火山浅部の地下水に「熱」が加わることで急激に気化する現象と考えられている。しかしこの「熱」がどのような媒体によっていかなる機構で運搬・蓄積されるのかは明白ではない。本研究ではマグマだまりから析出した高温流体が浅部まで熱を運搬するモデルを考え、近年水蒸気噴火を起こした御嶽山と草津白根山において、熱輸送を担う候補流体(水蒸気等)の種類と流量、出発点であるマグマだまりの深さ、到達点である浅部地下水層の深さを地震学的手法で求める。それらの解析結果を用いてパラメータを様々に変えた数値シミュレーションを行い、水蒸気噴火が発生する条件を推定する。
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研究成果の概要 |
水蒸気噴火は火山浅部の地下水の急激な気化によって起きると考えられる。気化する温度(沸点)まで地下水が加熱される具体的な機構・条件の解明のため、地震波解析に基づき流体移動が起きる場所を推定した。その結果を用いて地下水加熱の数値シミュレーションを行った。マグマから分離した高温水が低温の地下水層に注入されると流体圧が瞬時に増大して噴火の前兆となる地震活動が起きる一方、高温域はゆっくりと拡大するため地震活動以外の前兆現象は遅れて起きること、注入水が比較的低温の場合には御嶽山2014年噴火のように前兆現象に乏しい噴火となりうることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水蒸気噴火はマグマ噴火に比べ研究が少なく、地下のどこでどのような過程を経ていかなる条件で噴火が起きるのか、具体的なことがあまり分かっていない。本研究はその解明を試みたものであり、地震波解析に基づいて流体移動が起きる場所を推定したこと、その結果を用いて定量的な数値モデルを作成したことが特色である。御嶽山を対象とするモデルであるが他地域でも成り立ちうる物理的解釈を抽出しており、水蒸気噴火に関する火山学の発展に寄与し、将来的な火山活動推移予測にも寄与しうる。
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