研究課題/領域番号 |
19K04018
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清水 以知子 京都大学, 理学研究科, 准教授 (40211966)
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研究分担者 |
苗村 康輔 岩手大学, 教育学部, 准教授 (50725299)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 深部流体 / メルト / 高温高圧実験 / 多相固体包有物 / 沈み込み帯 / マントル / 脱水反応 / 高圧変成帯 / 炭酸塩マグマ / 超高圧変成岩 / 超臨界流体 / 蛇紋岩 / 塩水 / プレート収斂域 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では100-150 km深度で形成された超高圧変成岩に含まれる多相固体包有物を様々な方法で解析し、深部流体・メルトの化学組成を復元し,沈み込み帯の多様性を解明する。沈み込み帯深部の100-150km深度に存在する流体の化学組成を決定することが可能となれば、流体が重要な役割を果たす地震発生場やマグマ生成などの理解に大きく貢献することができる。しかし鉱物粒界に存在する流体の多くは岩石が地表に持ち上がってくるまでの間に失われるため、その実態は明らかではなかった。そこで本研究では,多相固体包有物の微小分析および高温高圧実験によって,深部流体組成の復元を行なう.
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研究成果の概要 |
本研究ではプレート収束域に存在する流体・メルトに注目し、超高圧変成岩に含まれる多相固体包有物の電子顕微鏡観察・X線CT観察を行なうとともに、高温高圧下での均質化実験を行ない、カリウムに富む花崗岩質メルト組成の復元に成功した。沈み込み帯におけるH2O 流体が地震発生過程や深部レオロジーに与える影響にも注目し、含水マントル岩(蛇紋岩)高温高圧変形実験を行ない、脱水反応と断層形成が互いに促進しあう正のフィードバック効果があることを明らかにした。また、K-Ar年代測定法やラマン炭質物温度計をもちいて、深部流体の発生・移動場となる高圧変成帯の構造やテクトニクスを明らかにする研究を進めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、沈み込み帯の深部にあって、これまでその実像がよく明らかにされてこなかった結晶粒子間の流体やメルトについて、実際に岩石がおかれた高温高圧条件を実験室内で再現した実験を行ない、地下 100 km 以深に沈み込んだ地殻物質中に溶質に富んだ超臨界水が存在するという仮説や、含水マントル岩(蛇紋岩)の脱水反応が中深発地震の引き金になるという仮説を裏付ける結果を得ることができた。本研究は基礎研究として、日本列島のような沈み込み帯における火山の多様性や地震発生メカニズムの解明に近づくものであり、広い意味で自然災害の科学にも貢献する。
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