研究課題/領域番号 |
19K04029
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人防災科学技術研究所 (2022) 東北大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
小園 誠史 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 火山防災研究部門, 主任研究員 (40506747)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 火道流 / 玄武岩質マグマ / 噴火の多様性 / 数値モデル / 伊豆大島 / 力学系 |
研究開始時の研究の概要 |
火山噴火において,高粘性の珪長質マグマによる多様な噴火タイプは,火道内のマグマ上昇過程(火道流)が主要因となってもたらされることが指摘されてきた.本研究では,噴火の推移予測や火山災害の軽減が重要視される富士山や伊豆大島を代表例として,島弧における低粘性の玄武岩質マグマによっても溶岩流出や大規模噴煙形成などの広範な噴火タイプが出現することに着目し,それらの広範な噴火タイプの再現および成因解明を可能にする,玄武岩質マグマに特化した火道流数値モデルを新規に構築する.そのモデルの解析によって,玄武岩質マグマによる火道流が噴火タイプの分岐をもたらす本質的な物理過程を解明する.
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研究成果の概要 |
低粘性の玄武岩質マグマを対象とした火道流数値モデルの開発に成功した。特に、マグマの熱力学的平衡計算プログラムを適用することによって、より現実的な減圧結晶化・組成変化によるマグマ粘性変化の効果を火道流モデルに組み込むことが可能となった。このモデルに基づき、火道流の力学系を規定する定常火道流におけるマグマ溜まり圧力と噴出率の関係を示す曲線の特徴を広範なパラメータ領域において系統的に調べた。その結果、玄武岩質マグマにおけるサブプリニー式噴火と溶岩流出噴火に対応する火道流が存在できる条件が、それぞれ火道形状とガス分離過程に強く支配されていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究における低粘性の玄武岩質マグマを対象とした火道流数値モデルの開発の成功により、将来の噴火が懸念されている伊豆大島や富士山などで発生し得る、溶岩を流出する非爆発的噴火、噴煙形成・火山灰拡散を伴う爆発的噴火という玄武岩質マグマによる多様な噴火タイプの成因解明が可能となった。噴火タイプの推移予測は、噴火時の周辺地域への影響評価や避難計画などに大きな影響を与えるため、本研究の成果は火山災害の軽減に貢献する重要な社会的意義がある。
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