研究課題/領域番号 |
19K04032
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 尚之 東京大学, 地震研究所, 教授 (60224523)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 地震 / 非地震性すべり / 摩擦 / 地震サイクル |
研究開始時の研究の概要 |
岩石実験に基づく速度・状態依存摩擦則を用いた数値シミュレーションにより,不安定すべり発生に先行する非地震性すべりを調べる.これまで主に研究されてきた不安定すべり発生直前の破壊核形成に加え,それよりもかなり早い段階から発生している,より低速度の非地震性すべりの発生・伝播過程について特に注目し,このすべりについて周期的なすべり速度ゆらぎや,規模,伝播速度等の摩擦パラメター依存性を明らかにする.
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研究成果の概要 |
速度・状態依存摩擦則を利用した数値シミュレーションにより,不安定すべり(地震)発生に先行する非地震性すべりの伝播過程を調べた.深部の速度強化域の非地震性すべりによる固着域底部での応力集中により地震間の早い時期から速度弱化域内部で非地震性すべりが発生し,浅部に向けて低速で伝播する.伝播速度は,法線応力に反比例し速度・状態依存摩擦則の特徴的すべり量には依存しないことなどがわかったが,この結果は,非地震性すべり域先端での応力集中に着目した破壊力学的モデルで説明できる.地殻変動などからプレート境界での非地震性すべり伝播過程を観測できれば,プレート境界での応力や摩擦特性が推定できることが示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
速度・状態依存摩擦則を利用したモデルにより,プレート境界の多様なすべり現象が説明可能となり,地震サイクルの数値モデルが実現している,しかしながら,プレート境界の応力や摩擦パラメタについての情報は乏しい.本研究では,観測データから,プレート境界の応力や摩擦パラメタを推定できる可能性を示し,より適切な地震サイクルモデルの実現に寄与すると考えられる.また,地震発生に先行する非地震性すべりの特徴を明らかにしたことから,地震に至る過程の詳細が解明され,地震発生への切迫度が評価できる可能性が示された.
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