研究課題/領域番号 |
19K04034
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
綿田 辰吾 東京大学, 地震研究所, 准教授 (30301112)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 遠地津波遅延 / 1854年安政東海地震 / 重力結合した固体海洋弾性系 / 遠地津波初動反転 / 2022年トンガ火山噴火津波 / 気象庁アメダス観測網 / 大気波動エネルギー量 / 遠地津波 / スマトラアンダマン地震 / 鳥島津波地震 / カルデラ底跳ね上げ運動 / CLVD型火山性地震 / ガラパゴス島シエラネグラカルデラ / 1960年チリ地震津波 / 火山性津波 / 長周期地震波 / 山体崩壊 / 海底カルデラ / 火山性地震津波 / 海域巨大地震 / 検潮計津波記録 / 1960チリ地震津波 / 津波伝播理論 |
研究開始時の研究の概要 |
1854年安政東海・南海地震津波や1944年昭和東南海地震津波など、19世紀後半以降、太平洋を横断する巨大遠地津波が各地の検潮所で記録されているが、定量的解析対象とされてこなかった。2011年東北沖地震津波が太平洋を横断し南米沖で観測された波形を、Watada et al. 2014は革新的遠地津波伝播理論により世界で初めて再現に成功した。この研究成果に基づき1960年チリ地震や1906年コロンビア・エクアドル地震などの破壊過程を遠地津波記録から解析する研究が急速に立ち上がりつつある。本研究では、遠地沿岸津波波形解析から、19世紀後半から20世紀前半までの巨大地震の断層運動を決定する。
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研究実績の概要 |
火山性津波の研究:2015年5月に発生した鳥島近海地震はM5.7と小さいが,東南海地域で広範囲に津波が観測された.津波 津波を利用した巨大地震の研究:2010年チリ地震津波や2011年東北沖地震津波で観測された高品質の深海域津波データは,遠地津波の研究の進展に大きく貢献した.旧来用いられてきた長波津波モデルで説明できなかった遠地津波の遅延と初動反転が,重力結合した固体海洋弾性系における海洋表面重力波の理論で説明可能となった.新たに開発された遠地津波計算法が,1854年安政東海・南海地震の津波記録を始め、現在までに発生した19の地震津波に適応され,繰り返される海溝型巨大地震の断層滑りモデルが構築・更新された.遠地津波に関するこれら最新の観測・理論・計算手法・応用例をレビュー論文としてまとめた. 大規模な爆発的火山噴火の研究:2022年1月に発生したトンガ海底火山の爆発的噴火では, 大気と固体地球の共鳴周期を持つ地震表面波と大気圧力波と津波が全球的に発生した.この噴火に伴う地震・津波・大気波動を速報する論文をまとめた.また,気象庁地上気象観測網(アメダス)記録を解析し,気圧変化と同期した,個々の観測点では検出できない気温変化と風速変化を検出した.検出された気温・風速変化は、気圧波(大気境界波)に付随する断熱圧縮と運動量輸送として定量的に説明可能であることを示した.気圧と風速記録から気圧波により運ばれた全球的波動エネルギーを見積もり,これらを論文にまとめた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遠地津波に関するこれら最新の観測・理論・計算手法・応用例をレビュー論文としてまとめた.この出版に時間がかかった.
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今後の研究の推進方策 |
来年度は2022年トンガ火山噴火津波に関する論文をまとめる予定である.
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