研究課題/領域番号 |
19K04041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 神戸大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
福田 惇一 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (10726764)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 地殻 / 石英 / 長石 / 塑性変形 / 水 / 天然 / 実験 / 強度 / 脆性塑性遷移 / 細粒化 / すべり系 / 応力 / 歪速度 / 破砕 / 粒径 / 石英粒成長実験 / 微細組織 / 天然石英 / 含水量 / 赤外分光法 / 流動則 / 水の効果 |
研究開始時の研究の概要 |
石英や長石は大陸地殻の主要構成鉱物であり,両物質の塑性変形は内陸型地震発生の前駆運動となる.従って,塑性変形強度を試料組織,塑性変形機構と共に理解することは重要である.岩石鉱物の塑性変形は,応力,歪速度,粒子サイズ,水の効果,温度などをパラメータとして表され,これは流動則と呼ばれる.本研究では過去に断層運動により塑性変形を被った天然試料の組織観察,分析を通して流動則を適用し,塑性変形強度を評価することを目的とする.また,天然試料に関する結果も踏まえて,流動則中の各パラメータの関係性を新たに評価する.
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研究成果の概要 |
断層深部の地下10数km以浅までは、岩石鉱物は破壊を伴う変形の脆性変形が起こり、以深では伸びる変形の塑性変形が起こる。岩石鉱物の塑性変形は不純物として含まれる水により促進される。しかし、岩石鉱物の塑性変形と水の挙動との関係はよく分かっていない。 本研究では、塑性変形を被った天然花崗岩中に含まれる石英中の含水量を測定した。その結果、塑性変形が進展し、細粒な石英が生成すると、その領域での含水量は近傍の元の石英粒子よりも低いことが分かった。このことは、実際の断層内部で石英の塑性変形に伴う粒径減少により、石英内部から水が放出されて断層内に分布していくことを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
断層深部で起こる塑性変形は、上部地殻に歪を蓄積させ、歪の解放が地震となる。このように塑性変形は地震発生の前駆運動として振る舞う。 塑性変形は岩石鉱物に不純物として含まれる水により促進されるため、塑性変形を被った水の量や分布を測定することは重要である。本研究では地殻の主要構成鉱物である石英の塑性変形の進展と含水量分布の変化を明らかにした。また、岩石変形実験により、長石試料中に水を加えることによって、塑性変形が促進されることを見出した。このことは、実際の地殻内部において、水のバリエーションによって、塑性変形挙動が異なることを示唆する。
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