研究課題/領域番号 |
19K04042
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
上原 真一 東邦大学, 理学部, 教授 (20378813)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 断層 / 透水性 / 岩石室内実験 / ダメージゾーン / 断層ガウジ / 破壊 / 亀裂 / 変形 / 断層ガウジ帯 / 透水実験 / 応力 / 歪 / 断層の透水性 / 岩石せん断実験 / AE / 間隙水圧 |
研究開始時の研究の概要 |
地下の岩盤の中には,岩盤がずれてできた割れ目(せん断割れ目,あるいは断層)が多く存在する.一般に断層すべり面の周辺には,すべるときにできた割れ目のネットワークがある.この割れ目のネットワークは,状況によっては地下水の通り道になる.そのため,断層周辺の割れ目のネットワークがどれくらい密に存在し,どのように連結しているかや,どれほど水を透すのか,ということについて調べることは,地下水の流れを知る上で重要である.本研究では,断層を作る実験を通して,条件によって断層周辺の割れ目のネットワークがどのようにできるか,どれくらい水を透すのか,ということについて調べる.
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研究成果の概要 |
岩石内部の微小亀裂分布を再現した模擬岩石試料を用いて,室内実験装置内部において応力条件下で断層を作成しながら,断層沿いの透水性を測定することで,微小亀裂分布が断層の内部構造(断層ガウジ帯とダメージゾーンの発達様式)および断層の透水性にどのように影響するかを明らかにすることを試みた. その結果,変形前の岩石中の亀裂密度が高いほど,形成される断層のダメージゾーン幅は大きくなり,その結果断層沿いの透水性が高くなること,巨視的な破壊後の断層すべりにおける,断層コア部分の発達が顕著になることが明らかとなった.自然の断層においても,母岩の亀裂分布の違いが断層の透水性に影響する可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地下の断層(割れ目沿いに地盤がずれた構造)は,他の部分に比べて隙間が大きくなったり,あるいは目が詰まったりするなどしているため,地下水の流れ方に影響を与える.そのため,断層沿いの水の流れやすさ(透水性)を評価することは,例えば石油工学,地熱発電開発,二酸化炭素の地中貯留,地殻内の物質循環,地震の発生メカニズムなど様々な分野を横断して重要な課題である.断層の透水性は様々な要因によって決まるが,元々の亀裂の分布の様子もその1つと考えられる.本研究では,元々の亀裂分布が,断層の内部構造(すべりによって粉砕された部分や,断層周辺の割れ目の分布など)の様子や透水性にどのように影響を与えるのかを調べた.
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