研究課題/領域番号 |
19K04054
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒田 潤一郎 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (10435836)
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研究分担者 |
Tejada Maria・L・G 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), 主任研究員 (40598778)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 白金族元素 / オスミウム同位体 / 白亜紀-古第三紀境界 / 天体衝突 / 洪水玄武岩 / 白亜紀‐古第三紀境界 / 白亜紀末大量絶滅 / オスミウム同位体組成 / 深海掘削コア |
研究開始時の研究の概要 |
国際深海科学掘削計画IODP第369次航海においてオーストラリア南西沖で回収された堆積物コア中に,6600万年前の白亜紀-古第三紀 (K/Pg) 境界層が含まれることが判明した.白金族元素であるオスミウム同位体組成は,白亜紀末の隕石衝突を鋭敏に反映して変動することが知られている.本研究では,この堆積物のオスミウム同位体分析と白金族元素分析を行い,超高解像度の化学層序を構築する.世界で三例目となる深海相 K/Pg 境界完全連続シーケンスが得られることが期待される.この堆積物を用いて「白亜紀末の巨大隕石衝突は,地球の裏側の深海盆にどう影響したか」という問いの解明に迫る.
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研究成果の概要 |
本研究では,メンテレー海盆の掘削孔U1514Cで掘削回収された堆積物に含まれる白亜紀-古第三紀(K-Pg)境界周辺の白金族元素濃度とオスミウム(Os)同位体比を測定した.海底下390~399 mの深度から35試料のデータを取得した.これは平均7万年間隔という高時間解像度のデータセットである.海底下深度393.52 mの堆積物で,明瞭なOs同位体比の低下と白金族元素濃度の鋭いピークが認められた.この深度は石灰質ナノ化石層序のK-Pg境界に一致する.このことは,白亜紀末の天体衝突イベントの層準が保存されていることを明確に示しており,完全連続なK-Pg境界が得られたことは本研究の大きな成果であった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,生物大量絶滅という社会的にも関心の高いテーマについて,南半球高緯度で欠損のない堆積物の完全連続セクションが得られた点が重要な点である.白金族元素やオスミウム同位体組成を用いて,白亜紀末の天体衝突時の古気候記録の連続性が評価できたことは重要な学術的意義である.この研究の結果,白亜紀末の天体衝突直後に石灰質ナノプランクトンの生産停止が,広くオーストラリア周辺海域で起こっていたことが判明した点も重要な発見であった.
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