研究課題/領域番号 |
19K04055
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 京都大学 (2020-2022) 金沢大学 (2019) |
研究代表者 |
後藤 晶子 京都大学, 生態学研究センター, 研究員 (00422791)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 直鎖飽和アルキル脂質 / 安定同位体比測定 / シダ植物 / 裸子植物 / 同位体比測定 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
陸上高等植物バイオマーカーとして古環境や古気候の復元、植生解析、後背地の推定などの議論に使用される長鎖の直鎖飽和アルキル脂質の含有量や安定同位体比などの情報は、主に現生の被子植物からの情報に基づき構築されている。一方、古環境復元や古植生解析で、被子植物の出現以前の環境を正確に読み解くには、シダ植物や裸子植物の情報は不可欠で、更に、これらの知見の増加は、これをトレーサーとした物質循環などの研究にも寄与できる可能性が高い。このことから本研究では、シダ、裸子植物の葉における異なる鎖長の長鎖n-アルカンと長鎖n-脂肪酸の含有量とその安定同位体比を分析して、それらの特徴を明らかにすることを目指している。
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研究実績の概要 |
古環境や古気候の復元・植生解析・後背地の推定などの議論に陸上高等植物バイオマーカーとして使用される、長鎖の直鎖飽和アルキル脂質の組成や含有量、安定同位体比などの情報を、シダ植物と裸子植物の葉から得るため、採取、粉末化した試料の一部について、脂質の抽出・分画で得られたn-アルカンとn-脂肪酸をGCおよびGC-MSを用いて分析し、その特徴を把握するとともに安定同位体比分析に向けた準備と予備測定を進めた。 前年度までに明らかになったシダ植物でのn-アルカン量の少なさをカバーするために、前処理に使用する試料量を増やすことを試みたが、作業量が膨大になることに加えて、それでもなお同位体比分析での必要量を確保できない種類があることが明らかになった。また、裸子植物においても目的とする直鎖飽和アルキル脂質の含有量が少ないものがあり、シダ植物と同様の問題が発生している。この問題を解決するためには前処理の方法を大きく変更する必要があり、それは設備や費用、時間の面から現実的ではないと判断している。 このことから、試料量を増やせば安定同位体比分析が可能である種類にターゲットを絞り、特に水素の安定同位体比と比べると薄い濃度でも測定ができる炭素の安定同位体比分析を念頭に置いて、現行の方法を用いながら、処理する試料量を可能な限り増やす方針で前処理を進めている。また、前処理に想定以上の時間と労力がかかることから、特に季節や場所の変化との関係、年次変化の有無やその程度を検討できる試料セットを選択して優先的にデータを得ることで、目的を効率よく達成することを目指して研究を推進している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
シダ植物、裸子植物の葉における長鎖の直鎖飽和アルキル脂質の組成や含有量、安定同位体比などの情報を得るために、採取、粉末化した試料について前処理をおこない測定を進めているが、2020年度からのCOVID-19による実験室使用と出勤・出張の制限や、所属機関の変更・移動、設備の故障などに加えて、対象年度には勤務形態の変更により研究環境が変化したため、予定に沿った作業を進めて研究を計画通りに推進することができなかった。 また、試料中での目的化合物の含有量が当初の想定よりも著しく少なく、安定同位体比測定をおこなうために処理する試料量が増えたため、前処理の段階で予定以上の時間がかる結果となっている。 これらの理由から、当初の計画よりも研究が遅れる現状となっている。
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今後の研究の推進方策 |
シダ植物、裸子植物の長鎖の直鎖飽和アルキル脂質の特徴を把握するために、収集した試料のGC、GC-MS測定を進めていく。また安定同位体比については、特に炭素同位体比について、試料量を増やせば分析が可能と判断し、かつ季節や場所の変化、年次変化を検討できるセットとなる試料を最優先に、長鎖の直鎖飽和アルキル脂質(n-アルカン、n-脂肪酸)について抽出・分離・精製し、測定を進めることで、シダ植物、裸子植物の葉中における目的化合物についてのデータを獲得していく。 得られたデータを解析して、シダ植物、裸子植物それぞれでの安定同位体比の特徴を、同一環境中の異なる種類で、また、同じ種類における季節変化や採取場所の相違に注目して解析していく計画である。
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