研究課題/領域番号 |
19K04057
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
|
研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
入月 俊明 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 教授 (60262937)
|
研究分担者 |
山田 桂 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (80402098)
渡邉 正巳 島根大学, エスチュアリー研究センター, 客員研究員 (80626276)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 貝形虫化石 / 花粉化石 / 鮮新世 / 完新世 / 古水温 / 古気候 / 植生 / 花粉分析 / 鍬江層 / 貝形虫 / 小浜湾 / 北半球氷河作用 / 気候変動 / 宍道湖 / 青森湾 / 貝形虫分析 / 対馬 / 花粉化石分析 / 陸奥湾 / 微化石 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,対馬暖流の流入が本格的になった今から約350万年前以降に焦点を当て,沿岸と陸上の気候や環境の変動過程を高時間分解能で復元し,お互いの関連性や同調性を数量的に解析し,大気と海洋との相互関係を解明する.そのため,同一堆積物試料から産出する浅海の底生微小甲殻類で,石灰質の2枚の殻を持つ微化石の一種である貝形虫化石を用いて,本研究で新しく確立する殻の微量元素分析法を取り入れた結果から古水温を,花粉化石を用いてモダンアナログ法による結果から古気温を算定する.
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は,日本海沿岸域における鮮新世後期以降の海洋環境と陸域環境の時系列変化の関連性を貝形虫化石の群集解析と殻の化学分析,および花粉化石分析の結果を統合して明らかにすることである.結果として,鮮新世後期では約270万年前を境にして,浅海域の海水温も陸上の気温も低下したことが明らかになった.これは,汎世界的な北半球氷河作用に関連した植生,陸上,および海洋環境の変化であると推定された.完新世に関しては,過去約3200年間の長崎県対馬において,海水温・塩分の時系列変化と陸上気候・植生のそれとの間に顕著な同調性は認められなかった.これは変化を起こす要因がそれぞれ異なっていた可能性がある.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,同じ試料を用いて,これまでよりも高時間分解能で花粉分析と貝形虫分析を行ったため,鮮新世の日本海沿岸域における陸上気候と浅海環境との詳細な関連性が明らかにされ,古生物・古環境学分野に貢献した.また,このような過去の気候や環境変動を詳細に復元することにより,今後の海洋や陸上気候の変化に対する施策立案への提言やSDGsの13,14,15に関連した教育・研究分野に貢献する.
|