研究課題
基盤研究(C)
ベトナムのカンブリア系~三畳系で地質調査を行い,大量絶滅などのイベント層を記録しているセクションで,アンモナイトや二枚貝,筆石,コノドントなどの化石と生層序,化学分析などの手法を用いて,地質年代や大量絶滅,海洋無酸素事変などの地質学的なイベントを明らかにし,さらに堆積相解析を用いて堆積環境を復元した上で化石の記載や底生動物化石群集の識別および生息域の復元を行なう.その後,これらの結果を地質年代や堆積環境,海域ごとに比較して大量絶滅から回復,適応放散のパターンとそれらの原因を明らかにすることが研究の最終目的である.
北部ベトナムには,中部~上部古生界の非海成層である“旧赤色砂岩”や浅海成の堆積物が広く分布している.二枚貝や巻貝,多くの魚類の骨片とオストラコーダや花粉などの微化石を“旧赤色砂岩”を主体とするシーカー層の上部で採取した.また,上部デボン系のコノドントがデボン~石炭系のトックタット層から多産した.本研究では,主にハーザン省のドンバン地域から産出した微化石(花粉,オストラコーダ,コノドント)とランソン省のバックテゥイ層から産出した下部三畳系の放散虫について研究した.
北部ベトナムに分布しているシーカー層は,アジアを代表する“旧赤色砂岩”を主体とする地層で1800年代から下部デボン系とされていた.しかし,本研究でシーカー層の最上部から後期シルル紀の胞子化石を抽出したことによって,この“旧赤色砂岩”がシルル系であることが明らかになった.また,トックタット層の下部から大量のコノドント化石を採取した結果,5大大量絶滅の1つとして知られている上部ケルワッサーイベント層が挟まれている可能性が高いことが明らかになった.これらの研究成果は,ドンバンカルストジオパーク内で得られたもので,今後のジオパークやベトナム国立自然博物館の展示などで紹介していく予定である.
すべて 2023 2022 2021 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (14件) 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 15件、 査読あり 17件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) 図書 (1件)
Paleontological Research
巻: 27 ページ: 261-276
巻: 27 ページ: 147-159
Revue de micropalaeontologie
巻: 75 ページ: 100610-100610
Jour. Geol. Soc. Japan
巻: 128 ページ: 245-251
巻: 25 ページ: 41-58
210000158755
Journal of Asian Earth Science
巻: 205
堆積学研究
巻: 79 ページ: 1-2
130008116061
Annales de Palaeontologie
巻: 107
Biology Letters
巻: 17
巻: 25 号: 1 ページ: 41-62
10.2517/2020pr011
Journal of Asian Earth Sciences
巻: 205 ページ: 104570-104570
10.1016/j.jseaes.2020.104570
Annales De Paleontologie
巻: accepted ページ: 00-00
巻: 79 ページ: 2-2
Island Arc
巻: 29 号: 1 ページ: 1-20
10.1111/iar.12337
巻: 00
巻: 78
130008110828
Geology Today
巻: 35 ページ: 217-220