研究課題/領域番号 |
19K04061
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 東京大学 (2020-2021) 国立研究開発法人理化学研究所 (2019) |
研究代表者 |
平沢 達矢 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (60585793)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 進化 / 脊椎動物 / 化石 / 恐竜 / 獣脚類 / 中生代 / 進化発生学 / 骨格筋 / 古生物学 / 胚発生 / 筋骨格系 / 腱 |
研究開始時の研究の概要 |
進化において大規模な機能の獲得がどのような移行過程を経て起こりうるものなのかについての理解を進めるためのケーススタディーとして、恐竜(非鳥類恐竜)から鳥類への進化において、筋骨格系、特に、翼の動力部分である筋がどのような移行段階を経て進化したのかを研究する。翼の新規筋形態パターンが何から、どのような変化を経て獲得されたのかを、現生種における前肢筋の発生の比較解析を通じて探り、さらに、化石標本を調査することで、その変化過程を系統図上で復元することを目指す。
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研究成果の概要 |
鳥類の翼は祖先である恐竜の前肢が変化したものであるが、翼の前縁には肩から手首にかけて祖先動物にはない「前翼膜筋」という骨格筋が新たに進化している。本研究では、この前翼膜筋の獲得機序の解明を進めた。まず、ニワトリの胚発生を調べ、前翼膜筋は、肩部の筋と前腕部の筋の2つが融合することで成立した可能性が高いことを示した。また、前翼膜筋が存在すると肘関節の角度が小さく制限されたまま化石となることを突き止め、関節した状態の骨格化石を調べることで、前翼膜筋は翼が完全に進化する以前の恐竜類(マニラプトル類)ですでに獲得されていた証拠を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、鳥類の翼の筋骨格系進化についての理解が大きく進展した。恐竜から鳥類への移行に関して、単なる骨の形態からの復元ではなく、関節した状態で保存された骨格化石の姿勢(関節角度)を統計学的に比較することで、通常は化石に残らない筋(前翼膜筋)の進化について証拠を得たのは本研究が初である。また、同時並行で進めた発生学研究によって、前翼膜筋がどのように進化したのか解明が進んだが、これは脊椎動物の筋骨格系の進化における制約や方向性を理解していく上で重要な手がかりになると期待される。
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