研究課題/領域番号 |
19K04063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 北九州市立自然史・歴史博物館 |
研究代表者 |
御前 明洋 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (70508960)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 付着生物 / 穿孔生物 / 軟体動物 / 古生態 / 中生代 / 白亜紀 / アンモノイド |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、付着・穿孔生物をもとに、その基盤となった中生代軟体動物の古生態を解明することを目的とし、中生代の海成層を対象とした野外調査および採集標本の室内処理を行いながらの産状観察、既存博物館標本の観察等を実施する。古生態推定では、付着・穿孔の位置や、基盤の殻の破損状況、殻の裏打ち構造の有無、アンモノイドの場合は顎器の有無等から、まず生存中の付着・穿孔かどうかを検討し、生存中の付着・穿孔の場合、その位置や方向等から、宿主の生息姿勢や成長速度等を推定する。また、本研究では、その研究過程を通じて、付着・穿孔生物が中生代特有の軟体動物を基盤として利用した実態も明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、付着・穿孔生物をもとに、その基盤となった中生代軟体動物の古生態を解明することを目的としている。 2022年度は、和歌山県の外和泉層群・物部川層群(5月16日~20日、9月24日~30日、1月18日~23日、3月17日~22日)や、北海道の蝦夷層群(7月14日~24日)、鹿児島県甑島の姫浦層群(11月9日~15日)、岩手県の宮古層群(3月5日~8日)での調査を実施し、付着・穿孔生物を伴う軟体動物化石を多数採集した。具体的には、和歌山県では、穿孔生物を伴う白亜紀後期の軟体動物化石のほか、付着生物を伴う白亜紀前期の軟体動物を採集した。北海道や鹿児島県では付着生物や穿孔生物を伴う白亜紀後期の軟体動物の化石を、岩手県では付着生物を伴う、比較的浅い環境で暮らしていた白亜紀前期の軟体動物の化石を採集することができた。また、付着・穿孔生物を伴う軟体動物化石のクリーニング作業を進めた。和歌山県では、本研究課題の調査中に、付着・穿孔生物とは異なるが、恐竜化石を発見し、その成果については和歌山県立自然博物館から発表され新聞やテレビ等でも報道されたほか、同館で展示もおこなわれた。 さらに、これまでの研究成果に関する投稿論文の執筆も進め、西南日本産の付着生物を伴うアンモノイドの進化過程に関する論文を投稿した。また、穿孔生物を伴う軟体動物の古生態に関する論文の原稿を完成させたが、この論文については、調査地域の地質に関する別の共著論文の掲載を待ってから投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度から2021年度にかけての2年間、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、予定していた野外調査の多くが実施できなかった。野外調査ができなかった期間は室内作業を進めたのに加え、2022年度は多くの野外調査をおこなったものの、およそ2年間、予定していた野外調査がおこなえなかった影響は大きく、このような評価となった。
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今後の研究の推進方策 |
およそ2年間、予定していた野外調査がおこなえなかったが、研究期間を1年間延長することにより、2023年度に数回の野外調査を実施し、付着・穿孔生物を伴う軟体動物化石の採集をおこなう。また、採集標本のクリーニングや観察・解析を進め、準備が整ったものから順次、論文の投稿をおこなう。
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