研究課題/領域番号 |
19K04066
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
黒田 充紀 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (70221950)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 金属材料 / 強度 / 粒径 / 強ひずみ加工 / 粒軽 / 材料モデリング / 界面効果 / 超微細組織 / 力学挙動 / 弾粘塑性 / 数理モデル |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らは最近の研究において、強ひずみ加工を受けた微細組織材料に対して、1)加工まま材においては、粒径強化に比べて転位強化が優勢で、顕著な粒径強化は低温焼鈍を経て初めて現れる、2)加工まま材には著しい応力緩和特性があり、この応力緩和特性は低温焼鈍によって消滅する、3)加工まま材、低温焼鈍材共に、バウシンガー効果の大きさは粒径と関係がない等の新しい知見を得ている。本研究課題では、これらの現象を詳しく調べ、それらのオリジンを材料物理に照らして明らかにし、これらの現象を統一的に表現する数理モデルの構築を目指す。物理に立脚したものであるため、新規材料の開発に役立つことが期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究は,強ひずみ加工による超微細結晶粒を有する金属材料の力学挙動の解明とそのモデル化を目的とした. 本研究期間の範囲内では,工業用純アルミニウムと銅を対象とした.主な結論は以下の通りである.(1)引張り試験中に観察される全応力は非熱的強度と熱的強度に分離できるが,強ひずみ加工ままの材料においては結晶粒微細化による非熱的強度の上昇はない.(2)強ひずみ加工により生成された粒界は転位運動の障壁としての機能はない.(3)焼鈍硬化による高い非熱的強度の発現はアルミニウムのみで観察され,材料によって挙動が大きく異なる.(4)これらの実験結果を表現するための簡易数理モデル(弾粘塑性型)を定式化した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来,強ひずみ加工によって作製される超微細結晶粒材料は一律に「高強度材料」として認識されてきた.本研究では,その強度を時間に依存しない永久強度(非熱的強度)と時間依存の熱的強度に実験的に分離した上で,改めて結晶粒径の影響を調べた.その結果,加工まま材場合,非熱的強度は一般に認識されるよりも大幅に低く,結晶粒径は非熱的強度にほとんど寄与していないことを見出した.非熱的強度は,環境に左右されない応力保持能力として構造材料の基盤的性能であり,これを広範に調査して,構造部材並びに構造物全体の安全性向上を目指すことの意義は大きい.
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