研究課題/領域番号 |
19K04070
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
植松 美彦 岐阜大学, 工学部, 教授 (80273580)
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研究分担者 |
柿内 利文 岐阜大学, 工学部, 准教授 (20452039)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 積層造形 / 複合構造 / チタン合金 / 強度特性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,は高い耐久性と低弾性係数を併せ持つ生体用のβ-Ti合金を3D積層造形によって作製する.さらに発展的な目的として,積層造形によって弾性係数が傾斜的に低下する表面Ti-6Al-4V層をβ-Ti合金上に作製し,骨との力学的親和性の高い構造を提案する.最終的には,両構造を適所に用いることにより,テーラード・デザイン(人工骨のように,個人の特性にマッチした多品種少量の設計,および構造体の中で弾性係数のような材料特性が徐々に変化するような傾斜的な設計の意)のコンセプトを確立することが目的である.
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研究成果の概要 |
溶製材であるマルエージング鋼もしくはTi-6Al-4V合金を基材とし,それぞれの粉末を選択的レーザー溶融法(SLM)で造形するハイブリッド構造を作製した.また,ベータ型チタン合金であるゴムメタルを基材とし,Ti-6Al-4V合金粉末を同様の手法で積層する異種金属ハイブリッド構造の作製にも成功した.溶製材と積層部の境界は,溶融した粉末が基材上で再凝固するために凹凸を形成するが,異種金属ハイブリッド構造の場合,基材のゴムメタルがTi-6Al-4V合金より融点が低いため,界面の凹凸が激しくなることが確認された.また,ハイブリッド構造の強度は,主として積層部の強度に律則されることを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
積層造形は複雑形状を比較的容易に作製できる手法として注目されているが,溶製材上に積層造形を施したいわゆるハイブリッド構造については研究が行われていなかった.本研究では,同種金属だけでなく,Ti-6Al-4V合金とベータ型チタン合金の組合せで異種金属ハイブリッド構造が作製可能である点を示した点は,工業的な意義が大きい.このような異種金属ハイブリッド構造は,基材と積層部で弾性係数が異なる傾斜構造となっており,医療用インプラントのような医療用構造としての実用化が期待できる.また,ハイブリッド構造の強度が積層部強度に主に支配されることを明らかにした点は,構造体の信頼性設計に応用することが可能である.
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