研究課題/領域番号 |
19K04073
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
稲葉 忠司 三重大学, 工学研究科, 教授 (70273349)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 脊椎運動 / 力学的特性 / 6軸材料試験機 / 棘突起接触症 / 実験的手法 |
研究開始時の研究の概要 |
身体運動の軸機関および支持機関である脊椎の疾患に対する診断・治療において,脊椎の剛性を把握することは,適切な治療方針・手術手技を決定する上で極めて重要である.そこで本研究では,脊椎の剛性を力学的観点より客観的・定量的に評価することを目的とし,複雑な脊椎変形挙動を6軸材料試験機を用いて実験的に調査する.特に,本科学研究費申請年度においては,脊椎疾患の一つである棘突起接触症に着目し,棘突起の肥大化を伴う脊椎の剛性を明らかにするとともに,この疾患が脊椎の各要素へ及ぼす影響,例えば隣接椎間障害の発生要因となり得るかどうかなどについて明らかにすることに焦点を絞って研究を実施する.
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研究成果の概要 |
本研究では,脊椎疾患の一つである棘突起接触症に着目し,棘突起の肥大化を伴う脊椎の変形挙動を力学的観点より実験的に解析することにより,本疾患が脊椎運動へ及ぼす影響について明らかとすることを試みた.シカ屍体腰椎を対象とした屈曲・伸展方向の曲げ試験結果から,棘突起接触症では伸展方向においてのみ脊椎の剛性が高くなることが分かった.また,この剛性の増加により,棘突起接触症を伴う脊椎では,正常状態と同程度の伸展運動を行った際に,正常時よりも大きなトルクが負荷され,隣接椎間における椎間板変性やすべりなどの障害が生じやすくなると推察された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脊椎は複雑な構造を有しており,その運動は6自由度である.しかし,脊椎を対象とした,6自由度すべての方向の力/トルクおよび変位/角変位の計測・制御が可能な試験機は構築されていなかった.したがって,種々の脊椎疾患が脊椎運動に及ぼす影響についても十分に検討されていなかった.その結果,各疾患に対する治療,例えばいかなる脊椎固定術を施すのかについて,その選択は医師の主観や経験が支配的となっている.このような現状に対し,本研究の成果は,客観的・定量的な脊椎疾患治療を提供するための一助となるとともに,最適な治療方針の選択は過剰な治療の減少に繋がることから,医療費の削減にも貢献できると考えられる.
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