研究課題/領域番号 |
19K04074
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
亀尾 佳貴 京都大学, 医生物学研究所, 助教 (60611431)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 骨代謝 / 骨リモデリング / 力学的適応 / in silico実験 / バイオメカニクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、骨代謝・リモデリングの分子機構に関する個別の知見を集約した力学‐生化学連成数理モデルを提案し、分子、細胞、組織、器官の振舞いを統合的に理解するためのシミュレーション基盤の構築を目的とする。まず、繰返し流れ刺激に対する骨細胞の力学刺激感知特性を実験とシミュレーションにより把握し、既存のin vivo、in vitro実験を通じて明らかにされた骨代謝関連シグナリングネットワークを組み込んだ骨代謝・リモデリングの数理モデルを構築する。さらに、本数理モデルに基づくin silico実験により、骨の力学的適応現象を再現するとともに、代謝性骨疾患の病態や、投薬による治療過程の予測を試みる。
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研究成果の概要 |
骨代謝・リモデリングによる骨の力学的適応機構の解明を目指し、力学的負荷に応じた分子、細胞、組織、器官の振舞をコンピュータ上で同時観察可能なシミュレーション基盤を構築した。まず、生体内において骨細胞に負荷される力学刺激を、流体-構造連成解析により定量的に評価した。次に、加齢にともなう骨量減少の主たる要因とされている皮質骨-海綿骨転換の数理モデルを構築し、そのメカニズムを明らかにした。さらに、骨代謝における骨構成細胞動態と骨損傷発展との連成数理モデルを構築し、リモデリングシミュレーションを通じて、骨量と骨質という複合的な観点から海綿骨の荷重支持機能を評価することを可能にした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で構築した骨代謝・リモデリングのシミュレーション基盤は、力学的負荷に応じて骨組織内部で生じる細胞間シグナル伝達、個々の骨構成細胞動態、骨形態変化をコンピュータ上で同時観察することが可能であり、分子や細胞の3次元的な力学的・生化学的状態とそれらの時間変動を含めた4次元的な時空間情報を基に、組織や器官の力学的適応機構を統合的に理解するための新しい研究アプローチを提供するものである。また、網羅的な薬剤評価や効果的な投薬方針の策定などを促す臨床支援ツールとして、将来の医療への多大な貢献が期待される。
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