研究課題/領域番号 |
19K04078
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
小林 志好 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (90295014)
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研究分担者 |
岸本 喜直 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (20581789)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 機械材料・材料力学 / 疲労 / 二次電池 / マルチスケール / マルチフィジックス |
研究開始時の研究の概要 |
リチウムイオンバッテリーをはじめとする高容量二次電池を構成する部材の中で,特に脆弱な電極に対し,マルチスケールモデリングに基づいた超高サイクル疲労損傷予測手法を開発する.具体的には,平面曲げ疲労試験を実施して,電極に損傷が生じるまでの繰返し数が百万回を超える低い応力を繰返し与えたときのミリメートルオーダの電極の変形とマイクロメートルオーダの微視的な疲労損傷の過程を関連付ける数理モデルを構築する.
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研究成果の概要 |
リチウムイオンバッテリーをはじめとする高容量二次電池を構成する部材の中で,特に脆弱な電極材に対し,マルチスケールモデリングに基づいた超高サイクル疲労損傷予測手法の開発を試みた.具体的には,平面曲げ疲労試験を実施して,電極材に損傷が生じるまでの繰返し数が百万回を超える低い応力を繰返し与えたときのミリメートルオーダの電極材の変形とマイクロメートルオーダの微視的な疲労損傷の過程を関連付ける数理モデルを構築した.各種の疲労試験との比較から低~高サイクルの疲労はエネルギー散逸によって生じること,ならびに超高サイクルにおける疲労は応力振幅が下限界値を下回ったときの疲労であると定義できることがわかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リチウムイオン二次電池をはじめとする高容量の二次電池を長期間に渡って運用する場合,機械振動による外荷重や充放電時の発熱によって生じる熱応力が繰返し生じることによって,電極材を支えるバインダーが機械的に疲労し,やがて破断に至る.本研究で提案した力学モデルを用いて種々のバインダー濃度の電極材に巨視的な損傷が生じるまでの繰返し数を予測したところ,良好な予測精度を示した.これは電極材を構成する活物質とバインダーの配合比を変更した場合であっても同様であったことから,本研究の成果は振動や熱変形に長時間晒される機械構造物の動力源として運用する際,構造物全体と電極の相互作用に基づいた安全寿命設計に貢献できる.
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