研究課題/領域番号 |
19K04084
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
笹川 和彦 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (50250676)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 金属ナノ粒子配線 / エレクトロマイグレーション / フレキシブル回路 / 信頼性 / 金属ナノ粒子 / 損傷機構 / フレキシブルエレクトロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
柔らかな電子回路に用いられるフレキシブルな電子配線は、金属ナノ粒子を分散したインクをインクジェットプリンタなどにより印刷して作られ、今後大いに発展が見込まれている。今後進む配線の微細化は、高密度電子流による配線金属原子の拡散移動現象(EM)を誘起し、近々にこの信頼性問題に直面することは確実である。しかし、EM信頼性の検討はほとんど行われておらず、フレキシブルな金属ナノ粒子インク配線における損傷機構の解明が待たれている。実用化の始まった金属ナノ粒子配線を対象に、高密度電流・曲げ応力下の損傷機構の解明を行い、さらに得られた成果を踏まえ、配線寿命などの強度評価法の構築を行う。
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研究成果の概要 |
電気的負荷と力学的負荷の作用するフレキシブル銀ナノ粒子電子配線において、金属凝集塊の形成とエレクトロマイグレーション(EM)による局所的な配線厚さの減少が複合的な損傷要因であり、EM損傷機構として、多孔質体であった配線内部構造が、通電に伴い結晶粒様の銀粒子の凝集体を形成し、その粒界に沿って原子が拡散することを世界で初めて示した。一般的な粒界拡散によるEM損傷は電流の負極側で生じるが、銀ナノ粒子配線においては陽極側で損傷が生じた。この現象を再現するためには、配線内における結晶粒サイズの不均一性を考慮した原子拡散モデルを構築することが必要であることがわかり、その数理モデル作成に逸早く取り組んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで明らかになっていないフレキシブル金属ナノ粒子インク配線の高密度電子流による損傷に焦点を絞り、特に実用環境で想定される電気負荷と応力負荷が重畳作用する複雑な損傷の初生および進展機序を世界に先駆け解明したものであり、学術的な意義を有する。 さらに、損傷機構の解明にとどまらず、これまで成功をみていない金属ナノ粒子インク配線の強度評価へ歩を進めたことは、今後発展が望まれる柔らかい電子回路の信頼性を確保することに貢献し、これによるさらなる応用分野の拡大が見込まれ、その社会的意義は大きい。
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