研究課題/領域番号 |
19K04089
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
旭吉 雅健 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (30342489)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | クリープ / 多軸 / 寿命評価 / ミニチュア / 十字型 |
研究開始時の研究の概要 |
高温構造機器の安全稼動を持続させるためには,ボイラー配管やタービン動翼等の部品の経年劣化損傷を定量的に把握した上で,高精度な評価式を用いた寿命診断が重要である。 とくに,実機では複雑な応力状態(=多軸応力)で,高温環境に特有のクリープ損傷を受けることから,本研究課題では十字型形状試験片を用いた新たな高温多軸応力クリープ試験を提案し,高精度な寿命評価式を開発する。 さらに,評価対象素材の大きさを微小化することにより実機の任意の局所位置からの素材採取を可能として,寿命評価精度を向上させる。 実機配管等から採取可能な微小サイズ素材のみで,高温・多軸応力環境下での損傷量を高精度に評価できる手法を確立する。
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研究成果の概要 |
火力発電プラントのボイラー配管等では,その形状不連続性や複雑な外力負荷によって高温多軸クリープ損傷を受ける。多軸クリープ実験でも評価素材の縮小化が要求されることから,本研究課題では,実機から採取した微小素材での多軸クリープ試験技術開発に取り組んだ。 有限要素解析と機械加工技術検討を経て,外径約45 mm,肉厚約8 mmの小径管から採取した素材で作成可能な溶接タイプ十字型試験片を設計した。さらに,ステンレス鋼Super304Hの多軸クリープ破断寿命整理にはMises型相当応力が有効であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
実機配管等から採取した素材のみで,それらの損傷を定量的に把握できることは,適切な余寿命診断や機器の安全性保障につながる。多軸応力での破断寿命評価は,これまでは汎用的な丸棒試験片での実験データを基にした予測に頼らざるを得なかったが,提案手法によって,実験的に明らかにすることを可能とした。安定した電力供給にも直結することから,産業界にも大いに有益である。 ミニチュア十字型試験片の中央標点部は平面応力を実現している。さらに,実験中の電気炉内部の中央標点部の変形をその場観察する機能も備えている。高温多軸応力状態でのき裂発生や進展も可視化できたことから,破壊のメカニズム解明等の学術面でも有意義である。
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