研究課題/領域番号 |
19K04148
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
深田 茂生 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (70156743)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | すべり送りねじ / 半浮上状態 / 円筒状モデル / 油圧 / 分離度 / すべり摩擦 / 半浮上 / 送りねじ |
研究開始時の研究の概要 |
工作機械などに用いられる直動ガイドや送りねじでは,摩擦の低減と負荷に対する剛性の向上が同時に要求される.しかし一般に,それらを両立させることは困難である.すべり面方式では,法線荷重に対する剛性は高いが摩擦も大きい.逆に静圧浮上方式の場合は,摩擦は低減できるが剛性も低下してしまう.そこで,二面が分離しない程度の流体圧を接触面間に供給して摩擦係数を低減する‘半浮上すべり面’が提案されている.本研究では,作動流体として鉱油を用いた油圧半浮上すべり面について,摩擦の最小化と高剛性を両立するための接触・摩擦状態の能動的な制御方法を構築し,低摩擦で高剛性な油圧半浮上すべり送りねじを実現する.
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研究成果の概要 |
本研究では,低摩擦で高剛性な送りねじを実現するために,二面が分離しない程度の流体圧を接触面間に供給して見かけの摩擦係数を低減する‘油圧半浮上すべり面’に着目し,摩擦の最小化と高剛性を両立する接触・摩擦状態の能動的な制御方法について実験的に検討を行った.Tr30×8の実機ねじ面間の接触を円筒端面どうしの接触にモデル化して実験を行い,分離度制御ループを主ループとし,圧力制御系と浮上変位制御系を副ループとする三重のカスケード制御系をPID制御動作により構成し,圧力-分離度制御系と浮上変位-分離度制御系を並列して同時に動作させることで,分離度を準静的な正弦波状目標値に追従させることが可能になった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
工業製品を高精度に製造する工作機械の直動ガイドや送りねじでは,精密な動作を実現するために摩擦の低減と負荷に対する剛性の向上が同時に要求される.しかし一般に両者は相反する特性であり,それらの二つの要求を同時に満たすことは困難であった.本研究は,低摩擦と高剛性を両立させるために二面が分離しない程度の流体圧を接触面間に供給して摩擦係数を低減する‘油圧半浮上すべり面’に着目し,実際の接触状態に応じて流体圧を浮上直前まで増大して摩擦を限界まで低減して摩擦の最小化と高剛性を両立する接触・摩擦状態の能動的な制御方法を実現した.本方法を送りねじに応用することで,低摩擦で高剛性な位置決め要素を実現できる.
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