研究課題/領域番号 |
19K04149
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 隆太郎 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (60361979)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 切削加工 / 切削油剤 / 仕上げ面粗さ / 工具摩耗 / tool wear / cutting fluid / uncut chip thickness / edge roundness / lubricant effect / cooling effect / 仕上げ面生成領域 / 転写精度 / 刃先丸み / 摩擦係数 / 切削温度 / 仕上面粗さ |
研究開始時の研究の概要 |
アップカットでは切り取り厚さが0から始まり弾性接触域,塑性接触域,切削域と状態が変化する.x-y座標系で測定した弾性接触域の切削抵抗から回転している工具の接線方向Fcとこれに垂直な半径方向の成分Fnを求めμMFM=Fc/Fnと定義する.それぞれの切削条件,特に切削速度により切削油剤の各効果が詳細に検討されてこなかった.この原因として考えられるのは,簡単に入手できる切削油剤のデータが常温におけるものに限られることである.そこで,研究者自身が取得した切削油剤の特性値を示しながら議論することが現象のより深い解明につながるであろうし,本手法がその標準的な評価法となることに期待したい.
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研究成果の概要 |
アップカットの切削開始直後の切削抵抗を用いて使用した切削油剤の工具-被削材間における摩擦特性評価を行った.また,刃先丸みと同程度の切込みによる切削では,摩擦係数が小さい切削油剤を用いたときにスティックスリップが起こりやすく,送りマークが明瞭に表れる切削条件では刃先の転写精度が低下することが分かった.刃先丸み程度の切込みにおける工具摩耗特性を調べ,摩擦係数が小さい切削油剤を用いたときに仕上げ面生成領域の工具摩耗が大きくなることが分かった.仕上げ面生成領域における被削材の変形領域の深さは切削油剤を用いたときに乾式より小さいため硬い被削材と工具が接触することが工具摩耗の要因と考えられる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ユーザーが入手可能な切削油剤の特性値は常温におけるデータであることがほとんどであるため,切削条件による油剤の効果が変化する理由を説明できない場合が少なくないが,提案した手法は工具動力計さえあれば切削油剤にユーザーが切削状態に近い状態で特性を評価できる.得られた成果は,工具寿命の判断に用いられる横逃げ面摩耗の抑制効果が高い油剤が,刃先形状の転写精度の低下や仕上げ面生成領域の工具摩耗を促進させる可能性も示しており,最適な油剤の特性を見極める際に,提案した手法の活用が期待できる.
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