研究課題/領域番号 |
19K04178
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
山本 恭史 関西大学, システム理工学部, 教授 (90330175)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 電気流体力学 / 表面張力 / 微小スケール / 濡れ性 / 流体工学 |
研究開始時の研究の概要 |
固体面の上に液体が乗った時に,固体が液体をはじき易いかぬれ易いかは,固体と液体の組合せで決まります.濡れにくい状態の系に電圧をかけるとぬれ易い状態に変わる「エレクトロウェッティング」という現象が知られています.限られた範囲では簡単な数式でその変化を表せるとされていますが,本質的な部分がよく分かっていません.本研究では,液体の運動を表す方程式と電場を表す方程式を,コンピューターシミュレーションによって再現し,実際に起きていると思われる現象を解明することを第1の目的としています.さらに,微量の液を制御する装置(化学的分析装置やディスプレイ)の設計や運転に役立つ知見を得ることを目指しています.
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研究成果の概要 |
固体表面の濡れやすさが電圧をかけることで変化するエレクトロウェッティング(EW)について,シミュレーションで再現する方法を開発することを目的として以下のことを行った. 1.既存のシミュレーターでは,濡れの問題の扱いがいい加減な場合や再現不可能な場合が多くあるため,幅広い濡れの問題に対応するためのモデル開発・改良を行った.2.EWを電気流体力学の現象ととらえて,電気力学の方程式を解いて液体に作用する力を計算する新手法の開発を行った. その結果,広範囲に適用可能なシミュレーターが作成され,電圧と濡れやすさの関係について,低電圧時・高電圧時それぞれ実験で見られる傾向が再現できる可能性が示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電圧と濡れやすさの変化がどのような関係にあるかは,部分的には実験に合う理論式があるが,電圧が大きい条件などでは成立せず,その部分の物理もよく分かっていない.本研究では,EW現象を静電力学の問題ととらえたシミュレーションで再現できるかを試みた. 本当に濡れ性が変化しているのではなく,静電気力でそのように見えるだけという1つの見解につながる結果が得られた.この結果と開発されたシミュレーターは,マイクロTAS(微小総合分析装置)やEWディスプレイ等の新技術の開発・設計・運用に大変有用となる.
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