研究課題/領域番号 |
19K04181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 岐阜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
山本 高久 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10345960)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 数値流体力学解析 / 血行動態 / 流体構造連成解析 / 動脈管 / バイオ流体力学 / 医療画像処理 / 血流の可視化 |
研究開始時の研究の概要 |
左心室低形成症候群患児に対し実施されている動脈管ステント内挿術において,動脈管開大により血栓が成長する症例が報告されている。同手術は動脈管(大動脈と肺動脈とを繋ぐ小さい管)にステントを挿入し,肺に過大流入する血液の一部を全身へと迂回(リバランス)させることにより,全身の血液循環のバランスを取るものであるが,動脈管開大により大動脈と肺動脈の拍動流が干渉し,血栓形成に至っているものと推察される。本研究では,大動脈-動脈管-肺動脈系の数値流体力学解析ならびに三次元PIV可視化実験を行い,動脈管ステントによる血流のリバランス特性を明らかにする。また,動脈管に生ずる血栓形成の予測技術の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
動脈管ステント内挿術は、左心低形成症候群の患児に対し、低侵襲で行える姑息術として注目を集めている。肺動脈と大動脈を繋ぐ管である動脈管(PDA)にステントを挿入、開大させることで、肺動脈の過大血流を大動脈に迂回(血流リバランス)させる。患児への負担が従来に比べて小さい一方,ステント挿入による血栓リスクを生じるとの報告がある。そこで本研究では動脈管開大時の肺動脈流,大動脈流との相互干渉を数値流体力学解析/流体構造連成解析により明らかにした。その結果,肺動脈流は収縮期→拡張期において大動脈側へと移行することが確認された。また,動脈管形状が動脈管内の止水領域形成に大きく関与していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の特徴は,臨床的にしか検討されてこなかった大動脈-動脈管-肺動脈系の血行動態および血流リバランスを,工学的アプローチ(数値流体力学(CFD)解析,実症例のCTデータからの大動脈-動脈管-肺動脈系の生体模型の製作,PIV計測)により明らかにする点にある。これら工学的アプローチにより,動脈管開大による血流のリバランスメカニズム,動脈管径(PDAステントによる開大度合いに相当),拍動パラメータが動脈管まわりの血行動態に及ぼす影響を明らかにした。これら研究成果により,症例特有の血流リバランスを評価,予測することが可能となる。
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