研究課題/領域番号 |
19K04202
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 奈良工業高等専門学校 |
研究代表者 |
中村 篤人 奈良工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (80619867)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 蒸発係数 / 凝縮係数 / 相変化 / 音波 / 共鳴 / 分子気体力学 / 流体工学 |
研究開始時の研究の概要 |
蒸発,凝縮現象は基礎的かつ工学的にも重要な物理現象であり,古くから多くの研究者によって研究がなされてきた.本研究が対象とする蒸発係数は蒸発,凝縮現象における未解決問題の一つである.気体と液体の境界面では,液体から気体に,逆に気体から液体へと相変化が生じるが,現時点では境界面を通してどれだけの質量(運動量やエネルギーも)が交換(移動)されるのか求めることができない.蒸発係数が明らかになれば,これらの問題も解決することが可能となる. 本研究では,これまでに取り組んだ共鳴音波を用いた蒸発係数測定法を発展させ,非平衡状態という条件下での蒸発係数測定を目指す.
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研究成果の概要 |
本課題は共鳴音波による蒸発係数測定法を基盤として、非平衡状態に対応した測定法への拡張を目的とする。蒸発係数は分子気体力学の境界条件に含まれる未知パラメータであり、蒸発係数が正確に決定されることで熱交換器など工学分野への直接的な貢献や異常気象、環境問題に対する間接的な貢献が期待される。 これまでの実験手法において様々生じていた誤差を低減するために、実験装置の改良と同時に共鳴管内の音場の精密測定に取り組んだ。ただし測定方法が当初予定から変更になったこと、圧力センサの調達に時間を要したことなどから、研究の進捗が著しく遅れ、本課題の目的であった非平衡状態下における蒸発係数測定は達成できなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で取り組む、蒸発係数の測定は古くから様々な研究者らによって試みられているが、正確な測定結果はこれまで得られていない。研究代表者らによって開発された共鳴音波を用いた蒸発係数測定法においても、測定結果において同一の液膜温度に対して、蒸発係数にばらつきが見られることが確認されており、この誤差は実験系の非平衡に起因していると考えられる。蒸発係数が正確に決定されれば、蒸発、凝縮が関わる技術において、より効率的な制御が可能となり、加えて異常気象、地球温暖化などに対しても、より正確な現象の予測が可能となる。このように本研究成果による効果は極めて広範囲にわたるものであり、また普遍的なものである。
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