研究課題/領域番号 |
19K04203
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 津山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
加藤 学 津山工業高等専門学校, 総合理工学科, 教授 (20370017)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 平面伸張粘度 / 平面伸張レオメトリー / 動的粘弾性試験 / 静的粘弾性試験 / 平面伸張レオメーター / 定常粘弾性試験 / 流動誘起構造 |
研究開始時の研究の概要 |
伸張粘度は,物体の伸縮変形に対する抵抗を特徴付ける基本的な物性であり,高分子成型工程だけでなくインクや洗剤などのスプレー性やコーティングで重要となる.近年,流動によって内部の構造を変化させる流体の利用が広がっており,これらのレオロジー特性と内部構造の理解は重要な課題となっている.伸張流動場では構造変化後の伸張粘度の定量的な評価はほとんど手付かずの課題である.本研究では,流動誘起構造を有する複雑流体の平面伸張粘度の計測を可能とする計測技術の開発を行う.さらに,本技術を既存の回転型レオメーターに追加して使用可能となるアクセサリーの開発を行う.
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研究成果の概要 |
本研究では,流動誘起構造変化後の伸張粘度を評価することのできる伸張レオメーターを実現するために,低粘度の粘弾性流体の平面伸張流動特性を評価可能な全く新しい測定手法を提案する.これは平行リング間に試験流体を充填しリングを引き離すことでリング間に円筒状フィルムを成形し,その際の膜厚変化および平面伸張応力を計測するシステムである.本研究では,本システムの開発に成功し,流動性の高い粘弾性流体の平面伸張変形下において力と変形の関係が直接的に観察可能となった.円筒膜の膜厚は重力の影響で徐々に薄くなり,この変化が安定した際に伸張変形を加えることで平面伸張応力と平面伸張粘度が評価可能であることを確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた測定結果は,流動性の高い粘弾性流体の平面伸張変形時の応力と変形の様子を力学的手法で捉えた初めての測定例である.平行平板リングの間に円筒膜を形成することで試験流体に平面伸張変形を加える本手法は非常にシンプルであり,様々な計測機器との組み合わせが容易である.本研究では,膜厚測定器とロードセルとを組み合わせることで,平面伸張粘度まで評価が行えることを示した.加えて,本手法は既存の回転型レオメーターをプラットフォームとして用いることができ,回転型レオメーターのアクセサリーとして制作することで世界中での利用が可能で複雑流体測定技術に大きなインパクトが期待できる.
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