研究課題/領域番号 |
19K04213
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
寺岡 喜和 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (10365025)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 結晶成長 / 水和物 / 凝固 / TBAB水和物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,金属箔ベルト生成方法を用いて,TBABハイドレートの生成に与える諸因子の影響を評価することで,TBABハイドレートの結晶成長メカニズムの解明することを目的にして,以下のプロセスで研究を進める. まず初めに,装置作成および装置の検証を行う. 次に,ハイドレート結晶状態と結晶成長先端形状を観察する実験を実施し,その観察結果を分析することで,結晶成長プロセスの概形を捉える. さらに,ベルト送り速度,冷却板温度,水溶液濃度などの基礎因子を変化させて,結晶状態・形状に与える影響について検討する. 最後に,得られた結果を踏まえて,結晶状態制御の可能性の検討を行う.
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研究成果の概要 |
本研究では,金属箔ベルト生成法を用いてTBABハイドレートを生成する実験を行い,TBABハイドレートの結晶成長について議論した.水溶液濃度40%では,タイプA水和物のみが出現し,生成速度1mm/min以下では結晶成長支配,それより高速になると核生成支配の凝固により連続生成が可能となることを生成過程の観察により明らかにした.一方,水溶液濃度10%では,主としてタイプBを含有する板状固相を連続的に取得できるものの,タイプAの存在も確認された.これは,タイプBの結晶成長速度が著しく低いため,ある程度の生成速度では水溶液濃度上昇を伴う氷結晶の発生が避けられないことに起因すると結論付けた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで知見の少ないTBABハイドレートの高過冷度域において,二種類の異なる結晶構造の結晶挙動を明らかにした.また,従来法と大きく異なる,安定かつ高速,固液分離が容易などの特徴を持つ新たな生成方法を提案した.これらの成果は,現在,検討されている蓄熱やガス分離等への展開において,限界生成速度などのシステム設計の指針,スラリー搬送の閉塞や冷却面での固着などの解明,結晶選択的生成技術の確立など様々な観点から貢献することが期待される.
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