研究課題/領域番号 |
19K04216
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 英生 京都大学, 工学研究科, 教授 (50166964)
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研究分担者 |
岩井 裕 京都大学, 工学研究科, 教授 (00314229)
岸本 将史 京都大学, 工学研究科, 特定助教 (10757636)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 固体酸化物形燃料電池 / 3Dプリント / 非ニュートン流体 / メゾ凹凸界面 |
研究開始時の研究の概要 |
セラミックス3Dプリントの高精細化に資するような基盤技術を創出することを目指して,インクとプリント対象物の温度を独立に制御し,インクの流動特性を制御する手法を提案する.セラミックス懸濁インクの温度を,プリント時とプリント後で変化させることでインクの流動特性を制御し,プリント時の良好な流動性と,プリント後の形状保持を可能にする.これにより10~20μmスケールの高精細プリントを実現する.さらにプリント技術の応用先として,セラミックス材料から構成される固体酸化物形燃料電池(SOFC)セルの作製を行う.3Dプリント技術により電極電解質界面近傍に凹凸形状を付与し,電気化学反応領域の拡大を狙う.
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研究実績の概要 |
本年度は,固体酸化物形燃料電池(SOFC)の燃料極支持体上に,昨年度調整した燃料極インクを押し出し式マイクロ塗布法を用いてプリントし,凹凸形状を付与した.その際,燃料極支持体をペルチェ素子を用いることで冷却することで,プリント後の燃料極インクの広がりを抑制することを試みた.燃料極インクの粘度測定と接触角測定により,燃料極インクの温度を5℃程度まで下げると,常温と比べて有意な差が生じることがわかっていたので,支持体温度は5℃に維持した.プリント後も低温状態を維持しながらインクを乾燥した後,YSZ電解質,GDC中間層,LSCF-GDC空気極を作製し,発電試験に供する燃料極支持型ボタンセルを作製した.作製したセルの電子顕微鏡観察により,緻密な電解質が形成されていることを確認した.セルの電流電圧特性およびインピーダンス特性の測定を行ったところ,700度における最大発電密度が1.05W/cm2程度であり,常温でプリントを行ったセルの1.0W/cm2を上回ることが示された.さらに発電出力の向上を目指すために,プリントするピッチを狭くすることを試みた.低温でプリントすることで線幅を減少することができるため,常温でプリントする際よりも線の間隔を小さくし,単位面積あたりの線の本数を増大させた.電解質や空気極作製の際のパラメータも再調整することで緻密な電解質と一様な厚みを持つ空気極を作製することに成功した.作製した燃料極支持型ボタンセルの電気化学測定を行ったところ,700℃における最大発電密度1.2W/cm2を達成することができた.
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