研究課題/領域番号 |
19K04223
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
白井 克明 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (00634916)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | コロイド / 電気運動学 / 固液境界 / ブラウン運動 / マイクロ・ナノスケール / ナノ流体 / 計測 / 近接場光 / コロイド流体 / 粒子運動 / 流体計測 / 固液伝熱 / 粒子流動 / レーザー計測 |
研究開始時の研究の概要 |
不溶性分散粒子を含む液体(コロイド)と固体壁の間の固液伝熱に着目し,壁近傍の分散粒子運動が伝熱特性に与える影響を調べる.壁面の一部をガラスで作成した試験部にコロイドを封入し,壁面温度を制御した状態で溶液に電場を印加する.温度場と電場による影響で粒子は複雑挙動を示すことが予想され,壁近傍での流動速度に注目する.固液境界面でのエバネッセント光の干渉を用いたレーザードップラー計測と,光学顕微鏡観察による可視化に基づく2種類の手法を併用し,粒子の流動速度を評価する.印加電場強度と温度条件,粒径の異なる条件で流動挙動を調べ,分散粒子の電気運動学および熱力学的挙動が固液間の伝熱に及ぼす影響の解明を目指す.
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研究成果の概要 |
液体に微粒子を分散させたナノ流体など熱輸送コロイドを念頭に、固体壁との境界面近傍の粒子運動を実験的に調べた。粒子速度計測には、壁面から液中に僅かに浸透するエバネッセント波を用いた2種類の光学計測装置を構築した。実験では粒子を混ぜた試験コロイドを矩形試験流路に流し、回折限界を超える壁面から約200 nm以内の領域で計測を実現した。計測結果から、粒子は概ね周囲の平均的な流れに追従すると分かり、ブラウン運動の影響とみられる流速変動が観察された。さらに平均流速が蛍光粒子の輝度値に基づく線形近似の予想を上回る結果が得られ、粒径に基づく影響で想定よりも深い位置の粒子からの信号が一部で得られたと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電子機器では回路集積化により発熱密度が増加し、高効率な冷却が求められる。微粒子を添加したコロイドは単層液体のみと比べ伝熱性能の向上が期待され、流動性を有するため、熱輸送媒体として注目される。しかし伝熱に関わる領域は壁面から粒径程度の極薄い領域で計測は容易ではない。本研究では壁面からコロイドへ僅かに浸透するエバネッセント波に基づく2種類の光学計測を構築し、壁面から約200 nm程度の領域で粒子速度計測を実現した。計測結果から、粒子速度が周囲流体の平均的な流れに追従しブラウン運動の影響を確認し、本手法を用いた現象の計測に加え、理論やモデル構築に繋がる基礎データ取得に活用可能なことを示唆した。
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