研究課題/領域番号 |
19K04228
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
阿部 陽香 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (70462835)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 比熱容量 / 熱伝導率 / 熱量計 / 熱容量 / 計測技術 |
研究開始時の研究の概要 |
断熱法は、信頼性が高い比熱容量測定法のひとつとして知られているが、室温以上では、熱放射による熱損失の影響が問題となり、高精度な測定は難しいと考えられてきた。本研究では、球構造の熱量計を開発し、測定中の熱損失量を正確に見積もることにより、断熱法の高度化を目指す。さらに、球構造を用いた新しい熱伝導率測定法を提案し、長い間解決できなかった、熱伝導率測定法における「試料側面からの熱損失」の課題に取り組む。
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研究成果の概要 |
比熱容量・熱伝導率は、物質・材料の熱的特性を明らかにするために不可欠な物性値である。本研究では、球形の構造を用いた熱量計により、熱放射の影響を正確に算出できる比熱容量の測定法を提案し、新しい断熱型熱量計を開発した。測定温度については、室温から200℃付近までの測定に取り組み、その結果、良好な測定シグナルを得ることができた。 熱伝導率測定においては、球形の構造を用いることにより、熱放射による試料側面からの熱損失が無視できる新しい測定法を提案し、その装置の試作を行った。大気中・室温での発砲ポリスチレン球の試行測定を行い、良好な測定結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
開発した球形構造の断熱型熱量計は、測定の不確かさ評価を行い、室温以上でのSIトレーサブルな比熱容量測定を実現する国家標準器として活用する予定である。現在、高温域における断熱型熱量計は数少なく、国内外にアピールできる新しい標準器となる。また将来的には本装置を用いて新しい標準物質を開発したいと考えており、学術・産業界で重要な役割を果たせると期待される。 熱伝導率測定については、本研究により、熱損失の影響を考慮しなくてすむユニークな測定法を提案することができた。これは、熱伝導率測定における重要課題の解決につながり、学術的な測定法の発展に大きな意義を持っている。
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